公開日:
2025/6/11
更新日:
2025/12/1
2000年に介護保険制度が施行されて以来、介護職員数は右肩上がりで増加してきました。
しかし、2023年度の介護職員数は約212.6万人となり、前年度から2.8万人減少。これは、厚生労働省による調査開始以来、初めての「減少」となりました。
一方で、要介護(支援)高齢者数は700万人を超え、増加の一途をたどっています。
今後の要介護(支援)者の増加傾向を勘案すると、介護職員数は2026年度には約240万人、2040年度には約272万人が必要になると予測されています。しかし、2040年の時点で約60万人の介護職員数が不足すると試算しています。
制度発足当初、国もここまで要介護(要支援)高齢者が増えるとは想定していなかったのではないでしょうか。制度開始から四半世紀が経過した今、高齢者数や要介護高齢者の推移に関する見通しは「不十分だった」といっても過言ではありません。
そこで介護職員の収入を増やす取り組みの一環として、2009年に「介護職員処遇改善交付金」が新設されました。以降、制度改正を重ねながら姿かたちを変え、2024年には「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。国も、介護人材の深刻な不足を重く受け止め、報酬改定のたびに各サービスにおける加算率を引き上げています。
しかし、それでも介護人材の給与水準は全業種と比べてまだまだ低い水準にあります。これは事業所だけの力で改善できる問題ではなく、国を挙げての構造的な改革が必要です。改革が進まなければ、介護人材は他業種へと流出していくでしょう。
少子高齢化の進行と社会保障費の増加に歯止めがかからない中、今後は介護報酬や診療報酬のプラス改定はあまり期待できそうにありません。
介護人材の増加がどこかで頭打ちになることはほぼ確実で、介護事業者は「生産性の向上」に真正面から取り組むフェーズに突入したといってよいでしょう。
業務のDX化やICTの導入など、テクノロジーの活用によって、限られた人材でより質の高いケアを提供できる体制づくりが求められています。
■参考資料
厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査(介護職員数)等 https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/001362534.pdf

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