公開日:
2024/6/3
更新日:
2026/1/11
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
訪問看護サービスにおいて、夜間や早朝、深夜の時間帯に提供されるケアは、利用者の生活リズムや緊急時の対応に欠かせない重要な役割を果たしています。本記事では、これらの時間帯に適用される「夜間早朝加算」「深夜加算」について、その概要や算定要件、報酬額、さらには注意点まで詳しく解説します。
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夜間早朝加算・深夜加算は、介護保険・医療保険の両方に存在しますが、算定要件については微妙な違いがありますが、訪問看護サービスを夜間・早朝・深夜帯に提供する際に適用される加算という意味では同じであり、通常の報酬に一定額を上乗せするものです。
夜間や早朝、深夜の訪問看護は、利用者の生活リズムや緊急時の対応に欠かせない重要なサービスです。例えば、夜間の痛み管理や、早朝の人工呼吸器のケア、深夜の急変時対応など、時間帯を問わずケアが必要な場面が多くあります。
夜間・早朝・深夜帯にサービスを提供するためには、ステーションの従業員の労働環境の整備が不可欠になります。いかんせん通常の営業時間外にサービスを提供するわけですから、体制を確保するための努力が必要です。
夜間早朝加算・深夜加算が適用される具体的な時間帯は、以下の通りです。
夜間早朝加算
- 夜間:18時〜22時
- 早朝:6時〜8時
深夜加算
- 深夜:22時〜6時
訪問看護において、夜間早朝加算・深夜加算の対象となり得る具体的なサービス内容は多岐にわたり、以下のようなものがあります。
医療処置
- 点滴管理
- 人工呼吸器の管理
- 褥瘡処置
- 膀胱留置カテーテルの管理
- 経管栄養の管理
観察・モニタリング
- バイタルサインのチェック
- 症状の観察(痛み、呼吸状態、意識レベルなど)
- 睡眠状態の確認
服薬管理
- 夜間の定時薬の管理
- 頓服薬の管理と効果確認
緊急時対応
- 急変時の初期対応
- 医師への連絡と指示受け
- 救急搬送の判断と対応
日常生活援助
- 就寝準備の介助
- 夜間の排泄介助
- 体位変換
精神的サポート
- 不安の軽減
- 睡眠導入のサポート
家族支援
- 介護者の休息確保
- 夜間ケアの指導
ターミナルケア
- 看取り期の症状管理
- 家族への心理的サポート
これらのサービスは、利用者の状態や需要に応じて提供されます。特に夜間や深夜の訪問看護では、日中とは異なる特有のニーズや課題に対応する必要があります。
例えば、夜間の痛み管理では、日中よりも痛みを強く感じる利用者も多いため、より丁寧な観察と適切な対応が求められます。また、睡眠中の呼吸状態の管理や、夜間せん妄への対応など、夜間特有の課題にも専門的なスキルが必要です。
深夜帯の訪問看護では、緊急時の対応がより重要となります。急変時の初期対応や、医師との連携、必要に応じた救急搬送の判断など、高度な判断力と迅速な行動が求められます。
さらに、夜間早朝の訪問看護は、家族介護者の負担軽減にも大きな役割を果たします。夜間の介護によって疲弊する家族に代わってケアを提供することで、介護者の休息を確保し、在宅療養の継続をサポートします。
これらの時間帯におけるサービス提供には、通常の訪問看護以上の専門性と経験が必要となります。そのため、夜間早朝加算・深夜加算は、こうした高度なサービス提供体制を評価し、維持するための重要な仕組みとなっています。
夜間。早朝、深夜加算は、介護保険と医療保険の両方に存在します。
それぞれについて単位数(報酬額)と算定要件について解説します。
【単位数】
- 早朝・夜間加算
午後6時から午後10時までの夜間帯および午前6時から午前8時までの早朝時間帯に、利用者様やご家族からの要望に応じて訪問看護を提供した場合、1回あたり所定単位数の25%の加算が算定可能です。
- 深夜加算
午後10時から午前6時までの深夜時間帯に、利用者や家族からの要望に応じて訪問看護を提供した場合、1回あたり所定単位数の50%の加算が算定できるものです。
ここでポイントとなるのは、「本人・家族の求めによるかどうか」「計画的に行われているかどうか」となります。本人からの要望がないのに訪問したとしても、加算の算定はできません。
【算定の留意点(算定要件)】
介護保険における夜間・早朝加算、深夜加算を算定する際には、以下の点に留意する必要があります。
- 夜間早朝の時間帯が全体のサービス時間に占める割合が極少の場合
まず、夜間・早朝加算や深夜加算は、訪問看護のサービス開始時刻が加算対象となる時間帯にある場合に適用されます。加算対象となる時間帯にサービスが「スタート」していることが、加算算定に重要です。
ただし、利用時間が長時間であって、加算対象となる時間帯のサービス提供時間が全体のサービス提供時間に占める割合が「極めて僅かな」場合、当該加算を算定することはできません。
言葉にするとわかりにくいですが、事例を交えて説明するとわかりやすいと思います。
例えば「午前7時55分から午前9時25分まで」の90分間、訪問看護サービスを行う場合を考えます。
午前7時55分から午前8時までの5分間は「早朝時間帯」に該当しますので、夜間・早朝加算が算定できるのではないかと思われるかもしれませんが、サービス提供時間全体としてはほんのわずかな時間(90分のうち僅か5分間)しか提供されていません。
このように、夜間・早朝、深夜帯の時間が全体に比して僅かな時間しか提供されていない場合、加算を取得することはできないということになります。
- サービス提供時間が20分未満の場合
サービス提供時間が「20分未満」の訪問の場合、サービス時間が夜間・早朝等であっても加算を算定することができません。
- 月の1回目の緊急訪問の際の取り扱い
介護保険の場合、月の1回目の計画外緊急訪問を行っても、夜間早朝加算等が適用されないことになっております。
早朝や夜間、深夜における緊急訪問の場合、月初めの緊急訪問は所定の単位数に基づく算定のみが行われます。もちろん要件を満たしているという前提で、緊急時訪問看護加算の算定は可能です。
2回目以降必要に応じ緊急訪問を行った場合については、早朝・夜間加算や深夜加算が適用されます。
介護保険で夜間・早朝加算、深夜加算を算定する場合は、その必要性を検討して居宅サービス計画書(ケアマネさんのケアプラン)に盛り込んでいただくか、月の2回目以降に算定する(緊急時訪問看護加算を算定していることが前提)ことを考えましょう。
医療保険の場合も、適用される時間帯は介護保険と同様になります。しかし前述の通り、医療保険の場合は報酬額が決まっています。
【報酬額】
- 夜間・早朝加算
午後6時から午後10時および午前6時から午前8時の時間帯に訪問看護を実施した場合、夜間・早朝加算として「1回あたり2,100円」算定できます。
- 深夜加算
午後10時から午前6時の時間帯に訪問看護を行った場合、深夜加算として「1回あたり4,200円」算定が可能となります。
【算定の留意点(算定要件)】
医療保険における夜間・早朝訪問看護加算や深夜訪問看護加算を算定する際には、以下の点に留意する必要があります。
- 「夜間・早朝加算」「深夜加算」はそれぞれ1日1回のみ算定可能
夜間・早朝加算および深夜加算は、それぞれ1日につき1回ずつ算定できます。1日のうち、夜間の時間帯と早朝の時間帯の2回訪問した場合も、夜間・早朝加算は1日1回しか算定することはできません。これは結構勘違いしがちですので注意しましょう。
- 訪問看護ステーションの都合により夜間早朝等の訪問となった場合
日中の時間帯で訪問看護員が不足していたり、スケジュールが調整できなかったりしたことにより、本来の訪問看護開始時間が午後5時から午後6時に変更された場合が考えられます。ただしこの場合、その訪問が夜間・早朝都の時間帯であっても「夜間・早朝加算」「深夜加算」は算定できません。
- 1日のうち「夜間早朝時間帯」「深夜時間帯」に訪問した場合
夜間・早朝訪問看護加算および深夜訪問看護加算は、それぞれ1日につき1回まで算定できることは、先程からお伝えした通りです。
では、夜間・早朝訪問と深夜訪問の両方を行った場合はどうなるでしょうか。
例えばその日の「朝7時」と「23時」にそれぞれ訪問した場合、夜間・早朝加算1回と深夜加算1回がそれぞれ算定可能です。
上記の場合は「2,100円+4,200円=6,300円」が算定可能となりますので、算定漏れに注意が必要です。
訪問看護ステーションにおける夜間・早朝加算の算定には、特定の施設基準はありません。
ただし、夜間・早朝、深夜帯に訪問したことを示す記録が必要なのはいうまでもありません。
夜間・早朝、深夜加算を算定するにあたっては、算定ルールを理解して運用することは当然として、むしろ当該時間帯に訪問するための体制構築のほうがより重要といってよいでしょう。
夜間・早朝加算算定のための体制整備としては、下記が考えられます。
24時間対応体制の構築
- オンコール体制の整備
- 夜間・早朝の人員配置計画
緊急時対応マニュアルの作成
- 夜間・早朝の緊急連絡網
- 医師との連携体制
職員教育・研修
- 夜間・早朝対応のスキルアップ研修
- 緊急時シミュレーション訓練
記録システムの整備
- 夜間・早朝訪問の詳細な記録
- 時間外サービス提供の理由の明確化
安全管理体制の構築
- 夜間訪問時の安全確保策
- 緊急時のバックアップ体制
ICTの活用
- オンライン相談システムの導入
- 電子カルテによる情報共有
利用者・家族への説明体制
- 夜間・早朝サービスの内容と料金の説明
- 緊急時の連絡方法の周知
これらの体制を整備することで、質の高い夜間・早朝サービスを提供し、安全かつ適切に加算を算定することができます。特に、24時間対応体制の構築は、利用者の安心感を高め、緊急時の迅速な対応を可能にする重要な要素です。
また、職員の労働環境にも配慮が必要です。夜間・早朝勤務のローテーション管理や、適切な休息時間の確保など、職員の健康と安全を守るための取り組みも重要です。
訪問看護ステーションの管理者は、これらの体制整備状況を定期的に確認し、必要に応じて改善を図ることが求められます。適切な体制整備は、加算算定の適正化だけでなく、サービスの質向上と職員の満足度向上にもつながります。
夜間早朝加算・深夜加算の対象となる時間帯での勤務は、職員にとって身体的・精神的負担が大きくなります。そのため、職員の負担軽減と適切な労働時間管理は非常に重要です。以下に、主要なポイントと具体的な対策を解説します。
シフト管理の最適化
- 公平なローテーション制の導入
- 個人の希望や生活リズムへの配慮
- AI活用による効率的なシフト作成
休息時間の確保
- 勤務間インターバルの設定(例:11時間以上)
- 深夜勤務後の十分な休息日の確保
- 仮眠室の設置と利用促進
労働時間の適正管理
- ICTを活用した勤怠管理システムの導入
- 残業時間の把握と削減努力
- 変形労働時間制の適切な運用
健康管理の徹底
- 定期的な健康診断の実施
- メンタルヘルスチェックの導入
- 産業医との連携強化
スキルアップ支援
- 夜間対応スキル向上のための研修実施
- キャリアパスの明確化
- 資格取得支援制度の導入
チーム体制の強化
- 複数人での対応体制の構築
- 経験者と新人のペア制導入
- 緊急時のバックアップ体制の整備
労働環境の改善
- 夜間・早朝・深夜勤務手当の適正化
- 休憩スペースの整備
- 安全な移動手段の確保(例:タクシーチケットの支給)
コミュニケーションの促進
- 定期的な面談の実施
- 匿名での意見収集システムの導入
- チーム内での情報共有会議の開催
ワークライフバランスの支援
- 育児・介護との両立支援
- 有給休暇取得の促進
- フレックスタイム制の導入検討
労働関連法規の遵守
- 労働基準法に基づく適切な労務管理
- 36協定の適正な締結と運用
- 労働時間等設定改善委員会の設置
これらの対策を実施することで、職員の負担を軽減し、より良い労働環境を整備することができます。特に、夜間・早朝・深夜勤務は心身への影響が大きいため、健康管理には特別な配慮が必要です。
例えば、深夜勤務後はインターバルを設けるなど、十分な休息時間を確保することが重要です。また、定期的なメンタルヘルスチェックを実施し、早期にストレスや疲労の兆候を発見・対処することで、バーンアウトを防ぐことができます。
スタッフが負担なく、働きやすい労働環境を構築することは、訪問看護ステーションの重要な責務です。
Q1: 介護保険の緊急時訪問看護加算を算定する方について、夜間・早朝・深夜の訪問看護サービスを提供する際、夜間・早朝加算、深夜加算を無制限に算定することはできますか?
A1: 介護保険の場合、月の1回目の計画外緊急訪問については、夜間・早朝加算や深夜加算は適用されません。緊急時訪問看護加算のみ算定可能です。2回目以降の緊急訪問については、要件を満たしていれば夜間・早朝加算や深夜加算も算定できます。
また、早朝夜間・深夜の訪問が居宅サービス計画等に位置づけられている場合は、月の1回目であっても早朝夜間・深夜加算を算定することができます。
(出典)厚生労働省 介護サービス関係Q&A集(P46)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000872766.pdf
Q2: 医療保険において、訪問看護ステーションの都合で訪問時間が夜間・早朝・深夜帯に変更になった場合でも、夜間・早朝加算や深夜加算を算定できますか?
A2: 訪問看護ステーションの都合で訪問時間が変更になった場合は、たとえ夜間・早朝・深夜の時間帯に訪問したとしても、夜間・早朝加算や深夜加算は算定できません。加算が算定できるのは、あくまで利用者や家族からの要望による訪問である必要があります。
(出典)厚生労働省 介護サービス関係Q&A集(P46)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000872766.pdf
本記事では、訪問看護における夜間早朝加算・深夜加算について、その概要から算定要件、注意点まで詳しく解説しました。
訪問看護ステーションの管理者は、これらの点を十分に理解し、適切な加算算定と質の高いサービス提供の両立を目指す必要があります。また、職員の健康と安全を守りつつ、持続可能な24時間対応体制を構築することが求められます。
最後に、介護報酬や診療報酬は定期的に改定されるため、常に最新の情報を収集し、適切に対応することが重要です。関係機関からの通知や研修会への参加など、継続的な情報収集と学習が欠かせません。
夜間早朝加算・深夜加算の内容を理解するとともに、同時に職員の働きがいと負担軽減に資することが、よりよい訪問看護ステーションの運営に必要であるということを肝に銘じておきましょう。
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