公開日:
2024/7/9
更新日:
2026/1/11
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
訪問看護サービスにおいて、緊急時の対応は患者さんの安全と安心を守る上で非常に重要です。本記事では、医療保険における緊急訪問看護加算について詳しく解説します。本加算は2024年診療報酬改定により運用が大きく変わっております。加算の定義や算定要件、請求方法など、訪問看護に携わる方々にとって必要不可欠な情報をわかりやすくまとめています。
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緊急訪問看護加算は医療保険(訪問看護療養費)に対して算定される加算です。具体的には、訪問看護ステーションが主治医からの指示等に基づき、計画外の緊急訪問を行った場合に算定できる加算となります。
対象となる利用者の疾患や基本療養費の内容によって、「緊急訪問看護加算」と「精神科緊急訪問看護加算」の2種類ありますが、このあとご案内する要件等は両者に違いはありません。
具体的には、以下のような場合に緊急訪問看護加算が算定されます。
患者さんの容態が急変し、主治医の指示に基づいて緊急訪問を行った場合
患者さんや家族から連絡を受け、症状悪化が認められたため緊急訪問を行った場合
褥瘡の処置や点滴の管理など、医療処置が必要となり緊急訪問を行った場合
この加算は、訪問看護ステーションの24時間対応体制を支援し、患者さんの安全を確保するために重要な役割を果たしています。「訪問看護 緊急時訪問看護加算 とは」「訪問看護 緊急時加算 とは」と検索される方々にとって、この加算は訪問看護サービスの質を向上させ、患者さんの生活の質を維持・向上させるための重要な制度であることをご理解いただけると思います。
緊急訪問看護加算を算定するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。特にこの加算は2024年診療報酬改定で大きく運用が変わっておりますので、正しい理解が不可欠になります。
緊急訪問加算の算定要件は、下記の通りになります。今般の診療報酬改定に伴い盛り込まれた要件についても、併せてご確認いただけますと幸いです。
①訪問看護計画に基づき定期的に行う指定訪問看護以外であり、利用者や家族の緊急の求めに応じて、主治医(診療所・在宅療養支援病院の保険医に限る)の指示により、訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を行った場合
②主治医の属する診療所が他の医療機関等と連携して24 時間の往診体制及び連絡体制を構築し、利用者に「在宅療養移行加算1」を算定しており、主治医が対応していない夜間等において連携先の保険医療機関等の医師の指示により緊急に指定訪問看護を行った場合
③診療所または在宅療養支援病院が、24時間往診及び指定訪問看護により対応できる体制を確保し、24時間連絡を受ける医師、保健師・助産師・看護師または准看護師などの連絡担当者の以下情報を文書で提供している利用者であること
(記載すべき内容)連絡担当者の氏名 連絡先電話番号等 担当日 緊急時の注意事項 往診担当医 訪問看護担当者の氏名等
④利用者や家族等からの電話等による緊急の求めに応じ、主治医の指示で緊急の訪問看護を実施した場合は、「日時」「内容」「対応状況」を訪問看護記録書に記録すること
⑤緊急訪問看護加算を算定する場合、その算定理由を「訪問看護療養費明細書」に記載する
となります。
上記で「在宅療養支援病院」とは、入院病床数が200床未満であり、通常の病院機能に加えて在宅療養をされる患者のために、定期的な訪問診療と365日対応可能な往診、訪問看護や入院ベッドの確保、介護連携、看取り等の体制を整備した病院です。地方厚生局に届け出て認可を受ける必要があります。(在宅療養支援)診療所でない病院の場合、在宅療養支援病院以外の主治医では当該加算を算定することはできません。
加えて、緊急訪問看護加算の算定は「計画外の訪問であること」「利用者・家族の求めに応じたものであること」が必要で、かつ主治医の指示があった場合でなければ算定ができないことにも注意が必要です。
さらに、緊急訪問看護加算を算定した場合には、その理由を療養費明細書に記載しなければなりません。
今般の診療報酬改定では、緊急の指定訪問看護が適切に提供されるよう、緊急訪問看護加算についてはその要件及び評価を見直されることになりました。
これにより、同一月の緊急訪問看護加算の算定回数に応じて、1日につき1回に限り以下のいずれかの加算を算定することとなります。
【緊急訪問看護加算(訪問看護基本療養費)】
イ 月 14 日目まで 2,650 円
ロ 月 15 日目以降 2,000 円
となります。
今般の診療報酬改定により、1月の算定を「14回」で区切り、それを超えた(15回目以降)場合は加算が減額されることになりますので、注意が必要になります。
緊急訪問看護加算は、よく「緊急時訪問看護加算」と混同されがちです。
緊急時訪問看護加算は介護保険で算定できる加算になります。緊急時訪問看護加算とは、中重度の要介護者の在宅生活を支えるために、24時間365日、緊急の連絡や緊急の相談、緊急時の訪問依頼等に対応する体制を構築していることを評価する加算です。
また、24時間対応体制加算も緊急訪問看護加算と間違いやすいので、注意が必要です。
24時間対応体制加算についてはこちらで詳しく解説しています。
訪問看護における「24時間対応体制加算(医療保険)」とは? |ケアチーム編集部コラム
今回の診療報酬改定で緊急訪問看護加算のルールが大きく変わった背景には、いわゆる「ナーシング型の有料老人ホーム」等において自社で訪問看護ステーションを設置し、対象の患者様へ毎日訪問する事案が増えていることが挙げられます。必ずしも緊急性が高いとはいいがたいケースでも、ご本人やご家族から了承を得たことにして緊急訪問とし、加算を算定していることが、実際に中医協でも議論されました。
この流れから、今般の報酬改定により緊急の訪問について一定の回数(14回)で区切り、超えた分については加算を減額するという措置に踏み切ったのです。しかも、緊急訪問の理由まで療養費明細書に記載することが必須となりました。
この厳しい措置は、やみくもに加算を算定するごく一部の事業所が存在することによるものといってよいと言っても過言ではありません。筆者個人的には、現場で日々行われている緊急訪問の現状を横に置き、一律に規制をかけるやり方には賛同しかねるところもあります。しかし、不正とも受け取られかねない行為を行う事業者は確かに存在するわけで、今回の措置により一定の抑止効果が作用すると考えられ、まさに診療報酬の「適正化」が図られることを目指しているといえるでしょう。
訪問看護ステーションにおける緊急時対応マニュアルの作成例を下記にてご紹介します。
●緊急連絡フローチャート
- 緊急事態発生時の連絡経路(利用者、家族、主治医、関係機関など)を明記
- 連絡担当者、時間外連絡先などを記載
●緊急時対応手順
- 利用者や家族からの緊急連絡受付時の対応
- 緊急訪問の判断基準、訪問準備、訪問時の対応
- 医療処置が必要な場合の対応(医師への連絡、指示の確認など)
- 緊急搬送が必要な場合の対応(救急車の手配、情報提供など)
●緊急時持ち出し品リスト
- 緊急訪問時に必要な物品(酸素ボンベ、救急セット、記録用紙など)をリスト化
- 持ち出し品の保管場所、点検頻度などを明記
●記録・報告
- 緊急訪問時の記録内容(日時、利用者状態、対応内容、医師指示など)
- 記録様式、報告先、報告期限などを明記
●職員研修
- 緊急時対応マニュアルの内容、緊急時対応のロールプレイング
- 定期的な研修実施、緊急時対応に関する知識・技術の維持・向上
●その他
- 緊急連絡先リスト(利用者、家族、主治医、関係機関など)を整備
- 緊急時対応に関する情報共有(職員会議、研修など)
- マニュアルの定期的な見直し、改善
Q1: どのような場合に緊急訪問看護加算が算定できますか?
A1: 緊急訪問看護加算は、以下の条件を満たす場合に算定できます。
訪問看護計画に基づき定期的に行う指定訪問看護以外であり、利用者や家族の緊急の求めに応じて、主治医(診療所・在宅療養支援病院の保険医に限る)の指示により、訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を行った場合。
主治医の属する診療所が他の医療機関等と連携して24時間の往診体制及び連絡体制を構築し、利用者に「在宅療養移行加算1」を算定しており、主治医が対応していない夜間等において連携先の保険医療機関等の医師の指示により緊急に指定訪問看護を行った場合。
診療所または在宅療養支援病院が、24時間往診及び指定訪問看護により対応できる体制を確保し、24時間連絡を受ける医師、保健師・助産師・看護師または准看護師などの連絡担当者の情報を文書で提供している利用者であること。
(出典)厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(在宅医療、訪問看護)」P32
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251538.pdf
Q2: 緊急訪問看護加算を算定する際に注意すべき点はありますか?
A2: 緊急訪問看護加算を算定する際には、以下の点に注意が必要です。
計画外の訪問であること。
利用者・家族の求めに応じたものであること。
主治医の指示があった場合に限ること。
緊急訪問看護加算を算定した場合には、その理由を療養費明細書に記載すること。
同一月の緊急訪問看護加算の算定回数に応じて、1日につき1回に限り加算額が変わる(14日目までと15日目以降で異なる)。
(出典)厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(在宅医療、訪問看護)」P32
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251538.pdf
Q3: 緊急訪問看護加算と緊急時訪問看護加算、24時間対応体制加算の違いは何ですか?
A3: それぞれ以下の点が異なります。
緊急訪問看護加算:医療保険で算定できる加算で、主治医の指示に基づき、計画外の緊急訪問を行った場合に算定されます。
緊急時訪問看護加算:介護保険で算定できる加算で、中重度の要介護者の在宅生活を支えるために、24時間365日、緊急の連絡や相談、緊急時の訪問依頼等に対応する体制を構築していることを評価する加算です。
24時間対応体制加算:医療保険で算定できる加算で、緊急訪問看護加算とは異なる体制を評価するものです。
(出典)
厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要(在宅医療、訪問看護)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251538.pdf
厚生労働省老健局「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1令和6年3月15日)」P23~26
https://www.mhlw.go.jp/content/001227740.pdf
Q4: 緊急訪問看護加算の算定要件に出てくる「在宅療養支援病院」とは具体的にどのような病院を指しますか?
A4: 「在宅療養支援病院」とは、入院病床数が200床未満であり、通常の病院機能に加えて在宅療養をされる患者のために、定期的な訪問診療と365日対応可能な往診、訪問看護や入院ベッドの確保、介護連携、看取り等の体制を整備した病院です。地方厚生局に届け出て認可を受ける必要があります。
加えて、以下の施設基準を満たす必要があります。
(1)許可病床200床未満であること、または当該病院を中心とした半径4km以内に診療所が存在しないこと。
(2)往診を担当する医師は、当該病院の当直体制を担う医師と別であること。
※医療資源の少ない地域に所在する保険医療機関にあっては280床未満となります。
緊急訪問看護加算の算定において、在宅療養支援病院以外の主治医では当該加算を算定できない場合があるため注意が必要です。
(出典)日本医師会「地域医療情報システム」
https://jmap.jp/pages/zaitaku
今回は、医療保険の「緊急訪問看護加算」について解説いたしました。
よく介護保険の「緊急時訪問看護加算」と混同しがちですが、両者は似て非なるものです。
両者はそれぞれ要件が異なることを、十分理解しなければなりません。
また、緊急訪問看護加算は今般の診療報酬改定により大きく変わっています。
これまでのやり方で対応して請求した場合、返戻になってしまいかねません。制度を正しく理解しないと運営に支障をきたすことにもなりますので、注意しましょう。
訪問看護に携わる方々には、これらの背景を十分に理解し、ルールに従って運用していくことが求められます。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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