公開日:
2024/11/23
更新日:
2026/3/16
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
難病等複数回訪問加算は、医療依存度の高い利用者に対して1日に複数回の訪問看護を提供した場合に算定できる医療保険の加算です。
神経難病や高度な医療管理を必要とする在宅患者の増加に伴い、訪問看護ステーションにとって重要な制度の一つとなっています。
2026年度(令和8年度)診療報酬改定では、同一建物居住者数および算定日数に応じた評価体系の見直しが行われました。
訪問看護ステーションの管理者・経営者にとっては、対象利用者の把握や適切な算定管理がサービス提供体制や収益構造に影響する可能性があります。
本記事では、管理者・経営者の視点から、難病等複数回訪問加算の制度概要、算定要件、2026年度改定のポイントについて解説します。
※本コラムの内容は、2026年2月13日開催の「中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 資料 総-1個別改定項目について」、および「令和8年度診療報酬改定説明資料」に基づき作成しています。診療報酬改定に関する最新情報は、必ず厚生労働省からの正式な通知をご確認ください。
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難病等複数回訪問加算は、難病や高度な医療管理が必要な利用者に対して1日2回以上の訪問看護を行った場合に算定できる加算です。
神経難病や人工呼吸器管理などの在宅医療では、1日に複数回のケアが必要となるケースも少なくありません。こうした利用者に対して、適切な訪問看護サービスを提供できるよう評価する仕組みとして設けられています。
訪問看護ステーションにおいては、対象利用者の把握や適切な算定管理を行うことが重要です。
難病等複数回訪問加算の対象となる利用者
別表7または別表8に掲げる者
特別訪問看護指示書が交付されている者
対象は以下の通りです。
末期の悪性腫瘍
多発性硬化症
重症筋無力症
スモン
筋萎縮性側索硬化症
脊髄小脳変性症
ハンチントン病
進行性筋ジストロフィー症
パーキンソン病関連疾患
多系統萎縮症
プリオン病
亜急性硬化性全脳炎
ライソゾーム病
副腎白質ジストロフィー
脊髄性筋萎縮症
球脊髄性筋萎縮症
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
後天性免疫不全症候群
頸髄損傷
人工呼吸器を使用している状態
これらの疾患では、在宅での高度な医療管理が必要となるケースが多く、頻回な訪問看護が求められることがあります。
対象は以下の通りです。
在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
以下のいずれかを受けている状態にある者
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅血液透析指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅人工呼吸指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
・在宅難治性皮膚疾患処置指導管理
人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
真皮を越える褥瘡の状態にある者
在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
2026年度改定では、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている者が対象に追加されています。
詳細はこちらのコラムをご確認ください。
【2026年度(令和8年度)診療報酬改定】難治性皮膚疾患への訪問看護、週4回以上の算定が可能に
難病患者の医療費負担を軽減する制度として、『指定難病の医療費助成制度(難病医療費助成制度)』があります。
訪問看護における医療保険の算定では、別表7に該当する疾患が対象となるケースがありますが、実際には別表7以外にも多くの指定難病が存在しており、それらの患者に対しても医療費助成制度が設けられています。
この制度は、国が定める指定難病と診断され、一定の重症度基準などを満たした場合に、医療費の自己負担を軽減する仕組みです。対象となる患者には、都道府県から特定医療費(指定難病)受給者証が交付されます。
訪問看護においても、指定難病の患者は医療依存度が高いケースが多く、医療保険による訪問看護の対象となる場合があります。
例えば、以下のような疾患は指定難病に含まれています。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
多系統萎縮症
脊髄小脳変性症
重症筋無力症 など
これらの難病患者では、人工呼吸器管理や経管栄養など高度な医療的ケアが必要となる場合も多く、訪問看護の役割が非常に重要となります。
訪問看護ステーションの管理者としては、難病医療費助成制度の概要を理解しておくことで、利用者や家族への適切な情報提供や在宅療養支援につなげることが重要です。
◆制度の詳細は、難病情報センターの資料も参考になります。
→ 難病情報センター:医療費助成の対象内容(FAQ)
難病等複数回訪問加算を算定するためには、以下の要件を満たす必要があります。
① 1日に2回以上の訪問看護を実施していること
「複数回訪問」とは、同一日に2回以上の訪問看護を実施することを指します。
利用者の状態によっては、1日3回以上の訪問が必要となる場合もあります。
② 対象となる利用者であること
難病等複数回訪問加算は、以下のいずれかに該当する利用者が対象となります。
別表7、別表8に掲げる者
特別訪問看護指示書が交付されている利用者
③ 医学的必要性に基づく訪問であること
複数回訪問は、利用者の状態に応じて医学的に必要と判断された場合に実施されるものです。
そのため、各訪問では状態観察や医療処置など必要な看護ケアを実施していることが求められます。
2026年度の診療報酬改定では、同一建物居住者数および算定日数に応じた評価体系への見直しが行われました。
【難病等複数回訪問加算(現行)】
同一建物内1人または2人 | 同一建物内3人以上 | |
1日に2回の場合 | 4,500円 | 4,000円 |
1日に3回以上の場合 | 8,000円 | 7,200円 |
【難病等複数回訪問加算(改定後)】
同一建物内1人または2人 | 同一建物内3人以上9人以下 | 同一建物内10人以上19人以下 | 同一建物内20人以上49人以下 | 同一建物内50人以上 | |
1日に2回の場合 | 4,500円 | 4,000円 | 3,700円 | 13,500円 | 3,300円 |
1日に3回以上の場合 | 8,000円 | 月20日目まで7,200円月21日目以降6,900円 | 月20日目まで6,300円月21日目以降5,200円 | 月20日目まで4,800円月21日目以降3,500円 | 月20日目まで4,100円月21日目以降3,000円 |
今回の改定では、集合住宅等での同一建物利用者数が多い場合の評価が細分化されております。
また、頻回の訪問看護を必要とする利用者に、高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションにおいて24時間体制で対応を行う場合については、包括型訪問看護療養費が新設されています。
※包括型訪問看護療養費についてはこちらのコラムをご覧ください。
【2026年度(令和8年度)診療報酬改定】包括型訪問看護療養費の新設
60歳の男性Aさんは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断されており、ご家族とともに自宅で生活されています。
現在は人工呼吸器を装着しており、気管吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な状態です。
このようなケースでは、在宅生活を継続するために1日複数回の訪問看護が行われることがあります。
◆訪問スケジュール例(1日3回訪問)
【朝(9:00~10:00)】
人工呼吸器の作動確認
気管吸引
経管栄養の実施
体位変換、褥瘡予防ケア
【昼(13:00〜14:00)】
バイタルサイン測定
気管吸引
呼吸状態の観察
経管栄養の実施
【夜(17:00〜18:00)】
人工呼吸器の確認
気管吸引
清拭または入浴介助
家族への介護指導
このように、人工呼吸器管理など医療依存度が高い利用者では1日3回以上の訪問が必要となる場合があり、難病等複数回訪問加算の算定対象となります。
難病等複数回訪問加算を適切に運用するためには、訪問看護ステーションの体制整備が重要となります。
主なポイントは以下の通りです。
①難病ケアに対応できる看護師の育成
神経難病や高度医療管理に対応できる看護師の教育・研修体制を整備することが重要です。
②複数回訪問に対応できるシフト体制
利用者の状態に応じて、朝・昼・夜の訪問に対応できる柔軟なシフト体制が求められます。
③医療機関との連携体制
主治医との情報共有や指示変更への迅速な対応が必要です。
④医療機器管理体制
人工呼吸器や吸引器など、在宅医療機器の管理体制を整備する必要があります。
難病等複数回訪問加算は、医療依存度の高い利用者を受け入れる訪問看護ステーションにとって重要な収益要素の一つです。
特に以下のような利用者を多く受け入れているステーションでは、算定機会が多くなる可能性があります。
神経難病
人工呼吸器管理
気管切開管理
在宅IVH
在宅酸素療法
一方で、2026年度改定では同一建物居住者数による減額評価が強化されているため、集合住宅などでの運用には注意が必要です。
管理者・経営者は、対象利用者の把握と算定要件の理解を行い、適切な運営体制を構築することが重要です。
Q1: 同日に複数回訪問した場合は必ず難病等複数回訪問加算を算定できますか?
A1: 同日に複数回訪問した場合でも、必ず算定できるわけではありません。
難病等複数回訪問加算を算定するためには、以下の条件を満たす必要があります。
利用者が別表7(難病)または別表8(状態)に該当していること
医師の訪問看護指示書に基づき、複数回の訪問が必要と判断されていること
実際に同日に複数回の訪問看護を実施していること
単にスケジュールの都合で訪問を分けた場合など、医学的必要性が認められない場合は算定できないため注意が必要です。
訪問看護計画書や看護記録に、複数回訪問が必要な理由を明確に記載しておくことが重要です。
Q2: 特別訪問看護指示書が交付されているが、別表8に該当しない場合でも難病等複数回訪問加算は算定できますか?
A2: 算定できません。
特別訪問看護指示書が交付されている場合は、状態の急性増悪などにより1日に複数回の訪問看護を実施すること自体は可能です。
しかし、難病等複数回訪問加算を算定するためには、利用者が別表7(難病)または別表8(状態)に該当していることが必要となります。
そのため、特別訪問看護指示書が交付されていても、別表7・別表8のいずれにも該当しない場合は、難病等複数回訪問加算の算定対象とはなりません。
難病等複数回訪問加算は、医療依存度の高い利用者への訪問看護を評価する重要な制度です。
2026年度診療報酬改定では、同一建物居住者数および算定日数に応じた評価体系への見直しが行われました。
訪問看護ステーションの管理者・経営者は
対象利用者の把握
算定要件の理解
ステーションの体制整備
を進めることで、制度を適切に活用することが求められます。
今後も在宅医療の需要は増加すると予測されており、難病や高度医療管理を必要とする利用者への訪問看護体制の整備は、地域医療において重要な役割を担うことになります。
出典:
令和8年度診療報酬改定について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)資料 総-1個別改定項目について
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 議事次第|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html
09_令和8年度診療報酬改定の概要 9.質の高い訪問看護の推進(厚生労働省)
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