公開日:
2025/7/14
更新日:
2025/12/1
高齢化が進む日本社会では、自宅で安心して暮らすために福祉用具の活用が欠かせません。しかし、誤った使い方や環境の問題から思わぬ事故につながることもあります。
本記事では、訪問看護師の視点を交えて、福祉用具事故の傾向や、事故を未然に防ぐために現場で実践できるポイントをわかりやすくご紹介します。
テクノエイド協会のデータを見ると、事故の発生場所には明確な傾向があります。
最多は「居室・寝室」
一日の大半を過ごすこの場所では、特に「特殊寝台(介護用ベッド)」に関連する事故が多発しています。
ベッドからの転落・転倒、起き上がりや移乗時のふらつき、さらにはベッド柵(サイドレール)への手足や首の挟まれといった深刻な事故も報告されています。
リモコンの誤操作や、身体状況に合わない高さ設定、柵の不適切な使用などが原因として挙げられます。
移動空間(廊下・通路・屋外)
ここでは「車いす」や「歩行器・歩行車」使用中の事故が目立ちます。
車いすからの転落・転倒(特に移乗時)、ブレーキのかけ忘れによる意図しない動き、段差でのつまずきや転倒などが主な事例です。
歩行器・歩行車でも、バランスを崩しての転倒、段差でのつまずき、坂道での操作ミスなどが報告されています。利用者の身体能力と用具の適合性、そして周囲の環境(段差、勾配、路面状況)が大きく影響します。
水回り(トイレ・浴室)
これらの場所では、「手すり」に関連する事故(体重をかけすぎて外れた、滑って転倒したなど)や、ポータブルトイレ、シャワーチェアからの転落・転倒が発生しやすくなっています。
床が濡れて滑りやすいことや、立ったり座ったり、移乗したりといった動作が多いことがリスクを高める要因です。
これらの事故は、福祉用具そのものの問題(経年劣化、不具合)だけでなく、「利用者の身体状況との不適合」「誤った使用方法」「住環境の問題」など、様々な要因が複合的に絡み合って発生しています。
福祉用具を安全に利用し、事故を未然に防ぐためには、利用者、家族、そして支援する専門職が以下の点を意識することが重要です。
適切な福祉用具の選定
身体状況や生活環境に合った用具を、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、リハビリ専門職などの専門家とよく相談して選びましょう。
「とりあえず」や「安価だから」という理由で選ぶと、事故のリスクを高める可能性があります。
正しい使用方法の理解と遵守
取扱説明書を確認し、正しい使い方を本人だけでなく、家族や介護者もしっかり理解しましょう。
特にベッドのリモコン操作、車いすのブレーキ、歩行器の操作などは、繰り返し練習し、確実に身につけることが大切です。
定期的な点検とメンテナンス
福祉用具は使っているうちに劣化したり、ネジが緩んだりすることがあります。
専門業者による定期点検を受けるとともに、日常的に不具合がないか確認し、異常があればすぐに相談・対応しましょう。
住環境の整備
段差の解消、手すりの設置、滑りにくい床材への変更、整理整頓による通路の確保など、福祉用具を安全に使える環境を整えることも事故防止につながります。住宅改修についても専門家に相談しましょう。
ヒヤリ・ハットの共有
大きな事故には至らなくても、「ヒヤリとした」「危なかった」という経験は重要なサインです。
些細なことでも関係者(家族、訪問看護師、ケアマネジャー等)で共有し、原因を考えて対策を講じることが、重大事故の予防に繋がります。
訪問看護師は、利用者の自宅という生活の場で、医療と生活の両方の視点からケアを提供する専門職です。そのため、福祉用具の安全な利用と事故防止において、以下のような重要な役割を担っています。
利用状況の観察とリスク発見
定期訪問を通じて、福祉用具が適切に使われているか、危険な箇所はないか、利用者の身体状況に変化はないかなどを継続的に観察し、事故のリスクを早期に発見します。
安全な使用方法の指導
福祉用具の正しい使い方や、より安全な介助方法などを具体的にアドバイスします。
用具や環境の見直し提案
利用者の状態変化や生活状況に合わせて、福祉用具の変更や追加、住環境の改善(手すり設置や段差解消など)をケアマネジャー等に提案します。
多職種連携の促進
医師、ケアマネジャー、リハビリ専門職、福祉用具専門相談員など、関係する専門職と情報を共有し、連携して最適な支援体制を構築します。
事故発生時の対応と再発防止
万が一事故が発生した場合には、初期対応や関係者への報告を行うとともに、原因を分析し、再発防止策をチームで検討・実施します。
福祉用具は在宅療養の頼もしい味方ですが、一歩間違えれば事故につながる危険性もはらんでいます。事故を防ぐためには、適切な用具を選び、正しく使い、環境を整え、そして日々の小さな「ヒヤリ」を見逃さないことが大切です。
訪問看護師は、利用者の最も身近な場所で安全を見守る存在です。福祉用具専門相談員やケアマネジャーと積極的な連携を図ることが必要でしょう。多職種が連携し、利用者・家族と共に安全な在宅療養環境を作っていくことが、事故防止の鍵となります。
出典:公益財団法人 テクノエイド協会
https://www.techno-aids.or.jp/hiyari/accident.html
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