公開日:
2026/8/22
更新日:
2026/8/20
訪問看護ステーションの管理者の皆さま、日々の業務お疲れ様です。今回は、2026年8月から段階的に導入される「高額療養費制度の見直し」について、現場の管理者が押さえておくべき最新情報と、ご利用者対応のポイントを解説します。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局等の窓口で支払う医療費の自己負担額が、1か月(1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額が後から支給される国の制度です。上限額は、利用者の年齢や世帯所得(区分)に応じて定められています。さらに、長期にわたり治療を継続する方の負担を軽減するため、直近12か月以内に3回以上上限に達した場合、4回目以降は上限額がさらに引き下がる「多数回該当」という仕組みも設けられています。
今回の見直しは、医療保険制度の持続可能性を確保しつつ、長期療養者や低所得者へのセーフティネットを強化することを目的としており、2026年8月と2027年8月の2段階で実施されます。訪問看護の実務において最も大きなポイントは、70歳以上の方の「外来(訪問看護含む)」の月額上限が引き上げられることです。
月額の自己負担上限額の引き上げ
医療費の伸びに伴い、2026年8月より一部の所得区分(主に70歳以上の外来)で月々の支払いの負担上限額が引き上げられます。訪問看護を利用する高齢者の多くがこの対象となるため、毎月の請求額が変わる点に注意が必要です。
「年間上限額」の新設
月額の自己負担額が積み上がっても、新たに設けられる「年間上限(8月〜翌年7月)」に達した後は、それを超える医療費について保険者から還付(償還払い)を受けられます。これにより、訪問看護を毎月継続して利用するような長期療養者の年間負担が大幅に軽減されるケースがあります。
月額上限額の見直しと所得区分の細分化
低所得者の負担に配慮しつつ、医療費の伸びに応じて月額負担上限額が見直されます。また、2027年8月からは応能負担の観点から所得区分が細分化されるとともに、「年収200万円未満の課税世帯」の多数回該当の金額が引き下げられるなど、きめ細かな配慮がなされます。
訪問看護を利用するご利用者やそのご家族にとって、医療費の自己負担額は非常に関心の高いテーマです。制度改定に伴い、現場では以下のポイントをスムーズに説明できるよう準備しておきましょう。
オンライン資格確認や原本による適用区分の事前確認
オンライン資格確認システムでの情報取得や、ご提示いただく「限度額適用認定証」の原本・資格確認書等を通じて、ご利用者の適用区分をあらかじめ把握しておきましょう。特に、今回の改定で月額上限が引き上げとなる対象者を事前に特定しておくことで、個別のアナウンスや問い合わせへのスムーズな対応が可能になります。
月額上限の引き上げと「年間上限」による還付の仕組みを説明
一部の所得区分で月額上限が引き上げられるため、ご利用者から「なぜ今月は高いのか」と質問を受ける可能性があります。その際は「月ごとの上限は上がりましたが、年間で上限が設定されたため、年間の支払額が一定を超えた場合は後から保険者より還付されます」と、制度の背景とセーフティネットをセットで説明できるよう共有しておきましょう。
制度の移行期にはご利用者やご家族からの問い合わせが増えることが予想されます。厚生労働省が用意しているリーフレットなども活用し、スタッフ間での情報共有を徹底していきましょう。
出典:高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
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