公開日:
2024/4/26
更新日:
2026/6/13
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
特別訪問看護指示書は、在宅療養の継続と訪問看護ステーションの収益確保の双方に大きく関わる制度です。一方で、現場では判断や運用に迷うケースが多く、誤った対応は返戻や減収につながります。
本記事では、制度の基本から現場での判断、退院直後の活用、連続使用、複数事業所対応、請求実務までを体系的に整理し、実務にそのまま活用できる内容として解説します。
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特別訪問看護指示書とは、利用者の状態が一時的に悪化し、通常の訪問頻度では対応が困難な場合に、主治医の判断で交付される指示書です。
主な特徴は以下の通りです。
医療保険で算定(介護保険対象者も特別指示期間中は医療保険適用)
指示期間は最大14日間
必要に応じて1日複数回の訪問や、通常より高頻度の訪問が可能
複数名訪問や長時間訪問が可能
制度の詳細は厚生労働省通知を参照してください。
▼厚生労働省では、特別指示書の様式を公開しています。
以下のURLからダウンロードできます。
(別紙様式18)特別訪問看護指示書/在宅患者訪問点滴注射指示書 p41|厚生労働省
以下のような状態に該当し、主治医が「一時的に頻回訪問が必要」と判断した場合に交付されます。
急性増悪(感染症、心不全、呼吸状態悪化など)
退院直後で状態が不安定
点滴や医療処置の増加
終末期における症状コントロール
精神症状の急激な悪化
褥瘡の悪化
▼参考資料
特別訪問看護指示書に関する厚生労働省の通知です。
制度の算定要件や運用ルールの詳細は下記URLをご参照ください。
訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う 実施上の留意事項について p4,p5|厚生労働省
特別訪問看護指示書は急性増悪時に限らず、退院直後でも使用可能です。
医療ニーズが高く、頻回訪問が必要な場合は、退院日から最大14日間の指示が可能です。
具体例
CVポート管理
点滴導入直後
家族指導が必要なケース
退院直後は状態変化リスクが高いため、積極的な活用が推奨されます。
指示期間:最大14日
交付回数:原則月1回
例外として以下の場合は月2回交付可能です。
気管カニューレ管理
真皮を超える褥瘡
月をまたぐ場合でも14日以内であれば問題ありません。
ただし、レセプトは月ごとに分けて請求する必要があります。
▼参考資料
制度の運用および指示期間の取扱いについては、以下資料を参考にしています。
訪問看護ステーションの指導監査について(中医協)p15|厚生労働省
通常指示書と特別訪問看護指示書は同一医師が発行する必要があります。
異なる診療科が関与する場合は、通常指示書を発行している主治医へ特別訪問看護指示書の作成を依頼するか、特別指示が必要と判断した医師へ通常指示書の発行も依頼します。
特別訪問看護指示書に連続何か月まで使用可能などの回数制限はありません。
ただし、毎回主治医が必要性を判断する必要があります。
また、連続交付時はその理由を訪問看護療養費明細書へ記載が求められます。
特別指示期間中であり、週4日以上の訪問が必要な場合に限り、複数の訪問看護ステーションが介入可能です。
ただし以下の制約があります。
同一日の複数ステーションの重複訪問不可
各事業所に指示書が必要
訪問計画書への明記が必要
特別訪問看護指示書と在宅患者訪問点滴注射指示書は様式上併記されており、同時に交付する場合は、それぞれ該当する項目を選択して記載します。
指示期間は
特別訪問看護指示書:最大14日
在宅患者点滴注射指示書:最大7日
点滴継続が必要な場合は、再度指示書が必要となるため、期間管理が重要です。
特別訪問看護指示書が交付された期間は医療ニーズが高い状態と判断されるため、医療保険での算定が原則となり、介護保険との併用はできません。
また、介護保険の対象者であっても、特別指示期間中は医療保険での算定へ切り替わります。
このため、指示期間と保険区分の管理を適切に行うことが重要であり、誤りは返戻の原因となります。
▼参考資料
訪問看護の利用者の状態に応じて、医療保険と介護保険の使い分けが図でわかりやすく整理されています。
医療保険と介護保険の訪問看護対象者のイメージ p2|厚生労働省
特別訪問看護指示書の運用は、以下の流れで整理しておくことで、現場対応のばらつきを防ぐことができます。
① 状態変化の把握
症状悪化の内容や程度を確認し、現在の訪問頻度で対応可能かを判断します。
② 医師への報告
頻回訪問が必要な理由を整理し、医学的根拠をもって主治医へ報告します。
③ 指示書受領時の確認
指示期間(14日以内)、交付理由、通常指示との医師の一致、点滴指示内容などを確認します。
④ 訪問体制の再構築
訪問回数の増加や1日複数回訪問、複数名訪問の必要性を検討し、体制を整えます。
⑤ 記録・請求対応
医療保険への切り替えを行い、記録内容とレセプトの整合性を確認します。
□指示期間が14日以内である
□指示医が通常指示書と統一されている
□点滴内容・期間が明確である
□医療保険に切り替えている
□月またぎ請求に対応している
□連続交付時の訪問看護療養費明細書の記載がある
特別訪問看護指示書の適切な運用により、以下の効果が期待できます。
利用者単価の向上
重症者の受け入れ強化
在宅療養継続率の向上
医療機関との連携強化
一方で、管理体制が不十分な場合は返戻や算定漏れにつながるため、以下の仕組み化が重要です。
指示書チェック体制の統一
医師への報告テンプレート整備
指示期間の管理
請求前のダブルチェック
Q1: 特別訪問看護指示書の開始日はいつから設定できますか?
A1: 発行日は原則として交付日を基準とし、実務上は訪問開始日との整合性を踏まえて運用されます。
Q2: 特別訪問看護指示書の期間中に一時的に訪問が不要になった場合はどうなりますか?
A2: 指示期間内であっても、訪問が不要であれば実施しなくても問題ありません。
ただし、以下に注意が必要です。
訪問実績に基づいて算定するため、未訪問日は請求不可
状態改善の経過は記録・報告が必要
指示書はあくまで「可能な期間」であり、必ず訪問しなければならない義務ではありません。
Q3: 特別訪問看護指示書が出ている期間中に入院した場合はどうなりますか?
A3: 入院した時点で訪問看護の算定は終了となります。
実務上のポイント
退院後に再度必要であれば、新たに特別指示書を検討
指示期間が残っていても、入院中は無効扱い
したがって、入退院のタイミングと指示期間の整合性確認が重要です。
Q4: 特別訪問看護指示書の内容を訪問看護側から修正依頼できますか?
A4:可能です。
現場では以下のようなケースで修正依頼が必要になります。
指示期間が14日を超えている
点滴内容が不明確
頻回訪問の理由が不足している
医師へは、 「算定要件上この記載が必要です」と具体的に伝えることが重要です。
遠慮して修正しないまま進めると、結果的に算定不可となるリスクがあります。
特別指示書は、在宅特別訪問看護指示書は
退院直後でも活用可能
連続使用も可能
複数事業所対応も条件付きで可能
と柔軟な制度である一方、運用ルールは厳格です。
正確な理解と適切な運用により
在宅療養の継続
看護の質の向上
安定した事業運営
を同時に実現することが可能です。
制度理解だけでなく、日々の記録・連携・請求まで一貫した管理が重要となります。
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