公開日:
2024/4/30
更新日:
2026/1/11
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
訪問看護における特別管理加算は、医療依存度の高い利用者に対して質の高いケアを提供する訪問看護ステーションを評価する制度です。本記事では、訪問看護ステーション管理者の視点から、特別管理加算の概要、算定要件、スタッフ育成、請求業務の効率化まで、幅広く解説します。経営改善を目指す訪問看護ステーションにとって、特別管理加算の活用は重要な戦略となります。
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訪問看護ステーションの経営者にとって、サービスの質向上と収益の確保は常に課題となっています。特別管理加算は、これらの課題解決に貢献する重要な制度です。この加算を算定することで、高度な医療ニーズを持つ利用者へのサービス提供体制を整え、同時に経営の安定化を図ることができます。
特別管理加算は、介護保険と医療保険の両方で算定可能です。医療依存度の高い利用者に対して、きめ細やかなケアを提供するための体制を整備し、実際にサービスを提供していることが評価され、通常の訪問看護費(介護保険)・訪問看護療養費(医療保険)に加えて算定できます。
この加算を算定するメリットは以下の通りです。
収益の向上:基本報酬に追加して報酬が得られることで、経営の安定化につながります。
サービスの質向上:高度で多様な医療ニーズに対応することになるため、スタッフのスキルアップが図れます。
利用者満足度の向上:医療依存度の高い利用者に対して、より手厚いケアを提供できます。
地域での評価向上:特別管理加算を算定できる事業所として、地域の医療機関からの信頼を得やすくなります。
スタッフのモチベーション向上:高度な医療ケアに携わることで、スタッフの専門性が高まり、やりがいにつながります。
特別管理加算を算定可能な事業所は、多様な医療ニーズに対応可能であると周囲に評価されます。利用者には質の高いサービスを提供し、事業所としては安定した経営基盤を築くことができるのです。
特別管理加算を算定するには、介護保険と医療保険それぞれに定められた要件を満たす必要があります。ここでは、両保険における算定要件を詳しく解説し、実際の運用に役立つポイントをお伝えします。
介護保険における特別管理加算は、「特別管理加算(Ⅰ)」と「特別管理加算(Ⅱ)」の2種類があります。それぞれの報酬単位と算定要件・注意点は以下の通りです。
1. 特別管理加算(Ⅰ):500単位/月
対象:
a) 気管カニューレを使用している者 |
b) 留置カテーテルを使用している者なお、下記3つの医療行為については、2024年介護報酬改定により新たに追加されたものです。 |
2.特別管理加算(Ⅱ):250単位/月
対象:- 特別管理加算(Ⅰ)に該当しない者で、以下のいずれかに該当する者
a) 在宅自己腹膜灌流実施中の者 |
b) 在宅血液透析実施中の者 |
c) 在宅酸素療法実施中の者 |
d) 在宅中心静脈栄養法実施中の者 |
e) 在宅成分栄養経管栄養法実施中の者 |
f) 在宅自己導尿実施中の者 |
g) 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者(週3回以上の点滴施行) |
h) 真皮を越える褥瘡の状態にある者 |
【算定のポイント】
- 特別管理加算(Ⅰ)と特別管理加算(Ⅱ)はいずれか一方しか算定できないこと
1人の利用者に対して1ヵ所の訪問看護ステーションしか加算を算定できません。2ヵ所以上の訪問看護を利用している場合は、どの事業所が算定するのか、分配をどうするのかについて事業所の合議で行うこと。
- 介護保険における訪問看護特別管理加算は、医療保険における特別管理加算と同月に算定することはできない。
- 対象の利用者について訪問看護の実施に関する計画的な管理を行っていること
- 利用者や居宅介護支援事業所が訪問看護事業所を選定する上で必要な情報として届出していること
- 訪問の際、利用者の症状が重篤だった場合、速やかに医師による診療を受けることができるように支援すること
- 「真皮を越える褥瘡」の利用者には、1週間に1回以上、褥瘡の状態の観察・アセスメント・評価を行い、褥瘡の発生部位と実施したケアを訪問看護記録書に記録すること
- 「週3日以上の点滴注射」の利用者には、点滴注射が終了した場合、その他必要な場合、主治医に速やかに利用者の状態を報告し、点滴注射の実施内容を訪問看護記録書に記録すること
医療保険における特別管理加算も、介護保険と同様に「特別管理加算(Ⅰ)」と「特別管理加算(Ⅱ)」があります。
1. 特別管理加算(Ⅰ):5,000円/月
対象:
a) 気管カニューレを使用している者 |
b) 留置カテーテルを使用している者 |
2. 特別管理加算(Ⅱ):2,500円/月
対象:- 在宅患者
在宅自己腹膜灌流指導管理 |
在宅血液透析指導管理 |
在宅酸素療法指導管理 |
在宅中心静脈栄養法指導管理 |
在宅成分栄養経管栄養法指導管理 |
在宅自己導尿指導管理 |
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理 |
在宅自己疼痛管理指導管理 |
在宅肺高血圧症患者指導管理 |
人工肛門、人工膀胱の設置 |
真皮を越える褥瘡 |
週3日以上の点滴注射 |
【算定のポイント】
- 基本的に「介護保険」の特別管理加算の算定ルールと同じですが、相違点もあります。
介護保険の場合は1人の利用者に対し1つのステーションしか加算算定できませんが、医療保険の場合は複数のステーションにて算定が可能です。ご注意いただければ幸いです。
これらの算定要件を満たすためには、適切な人員配置と設備の整備が不可欠です。特に、24時間対応体制の確保や、高度な医療ケアに対応できる看護師の育成が重要となります。次章では、具体的な事例を通じて、特別管理加算の算定ケースについて詳しく見ていきましょう。
特別管理加算の算定要件を理解したところで、具体的にどのようなケースで算定できるのか、事例を交えて解説します。これらの事例を参考に、自事業所での算定可能性を検討してみましょう。
【事例】
80歳男性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)により在宅酸素療法を実施中。週2回の訪問看護を利用。
【対応と算定】
- 在宅酸素療法実施中の利用者であるため、特別管理加算(Ⅱ)(250単位/月)を算定。
- 酸素濃縮装置の管理、使用方法の指導、呼吸リハビリテーションの実施など、専門的なケアを提供。
- 24時間連絡体制を確保し、急変時の対応に備える。
【ポイント】
- 酸素療法に関する最新の知識とスキルを持つ看護師の配置が必要。
- 医師との密な連携により、適切な酸素流量の調整や症状管理を行う。
【事例】
65歳女性、脳梗塞後遺症による寝たきり状態。仙骨部に真皮を越える褥瘡あり。週3回の訪問看護を利用。
【対応と算定】
- 真皮を越える褥瘡の状態にあるため、特別管理加算(Ⅱ)(2,500円/月)を算定。
- 褥瘡の状態に応じた適切な処置、体位変換の指導、栄養管理のアドバイスなど、総合的なケアを提供。
- 定期的に褥瘡の状態を評価し、処置方法を適宜見直す。
【ポイント】
- 褥瘡ケアに関する最新の知識と技術を持つ看護師の配置が重要。
- 多職種連携(医師、栄養士、介護職など)により、褥瘡の早期治癒を目指す。
- 真皮を越える褥瘡のため、訪問看護師の頻回訪問が必要であると主治医が判断した場合、特別訪問看護指示書の交付を受けることで、最大14日間毎日訪問することも可能。
なおこの場合、主治医は必要に応じて、月2回まで特別訪問看護指示書を交付することができる。
【事例】
70歳男性、末期がんにより在宅での看取りを希望。医療保険による訪問看護を利用。
【対応と算定】
- 在宅麻薬等注射指導管理を受けているため、特別管理加算(Ⅰ)(5,000円/月)を算定。
- 疼痛管理、症状コントロール、家族への精神的支援など、総合的なターミナルケアを提供。
- 24時間対応体制を確保し、急変時やターミナルケア時の対応に備える。
【ポイント】
- がん看護や緩和ケアに精通した看護師の配置が必要。
- 医師や薬剤師との連携により、適切な疼痛管理を行う。
- 家族への支援も重要な役割となるため、コミュニケーションスキルの高い看護師の配置が求められる。
これらの事例から分かるように、特別管理加算の算定には、高度な専門知識と技術を持つ看護師の配置が不可欠です。また、24時間対応体制の確保や多職種連携の推進など、組織的な取り組みも重要となります。
事例
75歳男性、大腸がん術後によりストーマ(人工肛門)留置中。介護認定を受けているため介護保険による訪問看護を利用。
対応と算定
- ストーマ管理をしている方について、管理方法が「パウチによる排泄」であれば特別管理加算(Ⅱ)(250単位/月)を算定。
ただし、ストーマ管理していてもカテーテルにより排泄するケースも考えられます。その場合は「留置カテーテルの状態」となるため、特別管理加算(Ⅰ)(500単位/月)が算定できます。利用者の状態により変わる場合もありますので、十分な状態把握が必要です。
事例
80歳女性、尿閉によりバルーン留置中。膀胱がんの末期状態により(別表7)、医療保険による訪問看護を利用。
対応と算定
バルーン留置とは、尿道から膀胱にカテーテルを挿入し、その先端にあるバルーンを膨らませることにより尿を対外に排出する処置です。まさに「留置カテーテル」の状態にあるわけですので、本件では特別管理加算(Ⅰ)(5000円/月)の算定が可能となります。
次章では、このような高度なケアに対応できるスタッフ体制の構築方法について詳しく解説します。

特別管理加算の算定には、高度な医療ニーズに対応できる看護師の確保と育成が不可欠です。ここでは、質の高いサービス提供を実現するためのスタッフ体制構築のポイントを解説します。
専門性の高い看護師の採用
- がん看護、緩和ケア、褥瘡ケア、呼吸器ケアなどの専門分野に精通した看護師を積極的に採用する。
- 採用時には、特定の専門分野だけでなく、幅広い知識と技術を持つ看護師を優先的に選考する。
継続的な教育・研修プログラムの実施
- 定期的な社内研修を実施し、最新の医療知識や技術を学ぶ機会を提供する。
- 外部の専門研修やセミナーへの参加を奨励し、費用補助を行う。
- e-ラーニングシステムを導入し、個人のペースで学習できる環境を整備する。
認定看護師・専門看護師の育成
- 認定看護師や専門看護師の資格取得を目指す看護師に対し、支援制度を設ける。
- 資格取得後は、その専門性を活かせる役割を与え、適切な処遇を行う。
チーム制の導入
- 経験豊富な看護師と若手看護師をペアにし、OJTを通じたスキル向上を図る。
- 定期的なケースカンファレンスを開催し、チーム全体での知識・技術の共有を促進する。
24時間対応体制の整備
- オンコール体制を確立し、夜間・休日の緊急時対応ができるようにする。
- ICTツールを活用し、効率的な情報共有と連絡体制を構築する。
多職種連携の推進
- 医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士などとの連携を強化し、総合的なケア提供体制を整える。
- 地域の医療機関や介護施設との連携会議に積極的に参加し、顔の見える関係づくりを行う。
メンタルヘルスケアの実施
- 高度医療ケアによるストレスに対応するため、定期的なカウンセリングの機会を設ける。
- ワーク・ライフ・バランスを重視し、適切な休暇取得を推奨する。
キャリアパスの明確化
- 特別管理加算に対応できる高度な技術を持つ看護師として、キャリアパスを明確に示す。
- スキルアップと連動した昇給・昇格制度を整備し、モチベーション向上につなげる。
専門チームの結成
- 褥瘡ケア、緩和ケア、呼吸器ケアなど、特定の分野に特化した専門チームを結成する。
- チームリーダーを中心に、最新の知識や技術の習得、ケースの検討を行う。
ICT活用によるスキル向上
- タブレット端末やスマートフォンを活用し、訪問先でも最新の医療情報にアクセスできる環境を整える。
- オンラインでの症例検討会や勉強会を定期的に開催し、時間や場所の制約を受けずに学習できる機会を提供する。
特別管理加算に強い人材を確保・育成するためのポイントは、継続的な教育と適切な評価・処遇にあります。高度な医療ニーズに対応できる看護師を育成することで、サービスの質向上と同時に、事業所の競争力強化にもつながります。
次章では、特別管理加算に関する請求業務の効率化について解説します。人材育成と並んで、適切な加算請求は事業所の安定経営に欠かせない要素です。
特別管理加算の算定には、適切な請求業務が不可欠です。しかし、複雑な算定要件や頻繁な制度変更により、請求業務が煩雑になりがちです。ここでは、特別管理加算に関する請求業務を効率化するための方法と、便利なツールをご紹介します。
算定要件のチェックリスト作成
- 特別管理加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件を整理したチェックリストを作成する。
- 利用者ごとに毎月チェックを行い、算定漏れを防ぐ。
電子カルテシステムの活用
- 特別管理加算の算定条件を電子カルテシステムに組み込み、自動でアラートが出るようにする。
- 訪問記録と連動させ、必要な情報が漏れなく記録されるようにする。
請求ソフトウェアの導入
- 訪問看護に特化した請求ソフトウェアを導入し、入力作業を簡素化する。
- 算定ルールが組み込まれたソフトを使用することで、誤請求を防ぐ。
マニュアルの整備と定期的な更新
- 特別管理加算の算定から請求までの流れを明確にしたマニュアルを作成する。
- 制度改定時には速やかにマニュアルを更新し、全スタッフに周知する。
請求担当者の専任化
- 請求業務に精通したスタッフを専任で配置し、効率的な業務遂行を図る。
- 定期的に研修を受講させ、最新の制度や請求ルールに関する知識を更新する。
AIやRPAの導入
- 人工知能(AI)や robotic process automation(RPA)を活用し、請求業務の自動化を進める。
- 単純作業の自動化により、人的ミスを減らし、業務効率を向上させる。
クラウド型請求システムの利用
- クラウド型の請求システムを導入し、複数の拠点間でデータを共有・一元管理する。
- リアルタイムでの請求状況の確認や、遠隔地からの作業が可能になる。
多職種連携システムの活用
- 医師や薬剤師など他職種とのコミュニケーションツールと連携した請求システムを使用する。
- 必要な情報を迅速に共有し、算定要件の確認や請求漏れを防ぐ。
定期的な内部監査の実施
- 月次や四半期ごとに請求内容の内部監査を行い、誤請求や算定漏れがないか確認する。
- 監査結果をもとに、請求業務の改善点を洗い出し、継続的な効率化を図る。
外部コンサルタントの活用
- 訪問看護請求に精通したコンサルタントに定期的なチェックを依頼する。
- 複雑なケースや制度改定時の対応について、専門家のアドバイスを受ける。
これらの方法を組み合わせることで、特別管理加算に関する請求業務を効率化し、正確な請求を実現することができます。効率的な請求業務は、事業所の安定経営につながるだけでなく、スタッフの業務負担軽減にも寄与します。
Q1: 介護保険と医療保険で特別管理加算の算定ルールは同じですか?
A1:介護保険では1人の利用者に対して1つの訪問看護ステーションしか特別管理加算を算定できませんが、医療保険では施設基準を満たしていれば複数のステーションで算定が可能です。
(出典)令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日)P26
https://www.mhlw.go.jp/content/001227740.pdf
Q2: 特別管理加算を算定できるのはどのようなケースですか?
A2:特別管理加算は、医療依存度の高い利用者に対して質の高いケアを提供した場合に算定できます。例えば、在宅酸素療法を実施中の利用者、真皮を越える褥瘡がある利用者、ターミナルケアが必要な利用者などが該当します(いわゆる「別表8」の状態にある者)。
(出典)
第605回中央社会保険医療協議会(中医協)資料(参考資料P12~15)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001440838.pdf
第182回社会保障審議会回社会保障審議会資料(P4)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000661085.pdf
Q3: 胃瘻の場合は特別管理加算を算定することが可能でしょうか?
A3:胃瘻は「留置カテーテル」に該当するため、特別管理加算Ⅰ(介護保険:500単位/月、医療保険:5000円/月)が算定できます。
(出典)熊本県看護協会HP
https://www.kna.or.jp/supportcenter/faq/c6/q2
特別管理加算は、医療依存度の高い利用者に対して質の高いケアを提供する訪問看護ステーションを評価する加算です。この加算を適切に活用することで、利用者と事業者の双方にメリットをもたらすことができます。
【利用者にとってのメリット】
質の高い専門的なケアを受けられる
24時間の安心を得られる
在宅での療養生活の質が向上する
医療機関との連携がスムーズになる
【事業者にとってのメリット】
収益の向上につながる
スタッフの専門性が高まる
地域での評価と信頼が向上する
多職種連携が促進される
特別管理加算の導入と効果的な運用のためのポイントを改めて整理すると
算定要件の正確な理解と遵守
専門性の高い看護師の確保と育成
24時間対応体制の整備
多職種連携の強化
ICTツールの積極的な活用
効率的な請求業務の構築
継続的な教育と情報収集
訪問看護ステーションの管理者の皆様には、この加算を積極的に活用し、利用者満足度の向上と事業の安定的な成長を両立させていただきたいと思います。超高齢社会が進展する中、在宅医療の重要性はますます高まっています。特別管理加算の算定を通じて、質の高い訪問看護サービスを提供し、地域医療の要としての役割を果たしていくことが期待されます。
特別管理加算を積極的に算定することにより、皆様の事業所の発展と地域における在宅医療の質の向上につながることを願っています。
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