公開日:
2024/7/22
更新日:
2026/2/23
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
訪問看護サービスにおいて、同一建物減算は重要な概念です。この減算制度は、介護保険制度の効率的な運用と公平性の確保を目的としています。本記事では、同一建物減算の概要や要件などについて詳しく解説します。介護サービス提供者や利用者の方々にとって、理解しておくべき重要な情報をわかりやすくお伝えします。
ケアチームでは、訪問看護のレセプト代行サービスを提供しています。お気軽にご相談ください。 ⇒ケアチームのサービス紹介資料を見る(無料)
同一建物減算は、介護サービスの効率的な提供と公平性の確保を目的としたものです。わかりやすくいえば、同一の建物に居住する複数の利用者にサービスを提供する場合に介護報酬が減算されますが、要件はやや複雑です。ここでは、同一建物減算の概要や目的、そしてその理由について詳しく解説します。
同一建物減算とは、訪問系サービスにおいて、同一の建物に居住する複数の利用者にサービスを提供する場合に適用される介護報酬の減算制度です。この制度は、2012年の介護報酬改定で導入され、その後も継続的に見直しが行われています。
同一建物減算の主な目的は以下の通りです。
サービス提供の効率化
同一建物内の複数の利用者にサービスを提供することで、移動時間や経費が削減できるため、それに応じて介護報酬を調整します。
公平性の確保
戸建住宅の利用者と集合住宅の利用者との間で、サービス利用に関する公平性を保つことを目指しています。
介護保険制度の持続可能性
効率的なサービス提供を促進することで、介護保険制度全体の財政的な持続可能性を高めることを目的としています。
- 導入の背景
高齢者向けの集合住宅(住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅等)の増加に伴い、効率的なサービス提供が可能な環境が増えてきたことが背景にあります。
- 制度の意図
サービス提供の効率性を報酬に反映させることで、介護保険制度の公平性と持続可能性を確保することを意図しています。
- 対象サービス
訪問介護、訪問看護、通所介護などの在宅サービスが主な対象となります。2024年介護報酬改定により、居宅介護支援においても同一建物減算が導入されました(今回は、訪問看護にしぼって解説いたします)。
その昔、一般居宅(戸建てなど)に訪問する際の報酬と、有料老人ホームなどに入居する方に訪問する際の報酬は、全く同じ金額でした。これは訪問診療(在宅療養支援診療所等が行う訪問診療サービス)も同様でした。
両者が全く同じ報酬額であれば、どちらが効率よく稼げるかといえば当然ながら「後者」になります。ですので訪問診療や訪問看護、訪問介護の在宅系サービスでは、施設を中心に1日に20人も30人も診療等を行って、一般在宅と同じ報酬を得るということが普通に行われており、ルール上も認められていました。
しかし両者が同じ報酬設定になっているというのは、本来おかしな話です。
介護給付費分科会(介護報酬を審議する機関)や中医協(診療報酬を審議する機関)では、当時このことを非常に問題視していました。
具体的な変遷については省略しますが、要は訪問看護においては「一般在宅訪問」と「施設訪問」の報酬を適正化しようという動きになったわけです。具体的には、より効率的に訪問できる施設訪問については一般在宅の場合と報酬額に差をつけ、「同一建物減算」という形で見直した、ということです。
同一建物減算は、単なるコスト削減策ではなく、介護保険制度全体の公平性と持続可能性を確保するための重要な仕組みであることを理解しておくことが大切です。
なお、同一建物減算の考え方は医療保険にも存在しますが、今回は介護保険に絞って解説いたします。
私たちは日常「同一建物」といっていますが、正式には「同一敷地内建物等」とよびます。
訪問看護事業所を例にしますと(考え方は訪問介護等と同じです)、「当該事業所と同一の敷地内の建物、隣接する敷地内の建物、同一の建物」となります。
簡単にいえば、「効率的なサービスの提供が可能な建物」ということになりますね。
ただ一口に「隣接する敷地」といっても、広大な敷地に複数の建物が点在するケースは対象になりません。また隣接する敷地であっても、道路や河川などで敷地が隔たれており、迂回などが必要な場合等は、サービスの効率化に繋がらないような位置関係の建物となるため減算の対象とならないことになります。
同一建物減算が行われる主な理由には、サービス提供の効率性を適切に評価し、介護報酬に反映させることにあります。具体的には以下の通りです。
コスト削減効果の反映
同一建物内で複数の利用者にサービスを提供する場合、以下のようなコスト削減効果があります。
- 移動時間の短縮:建物間の移動が不要になり、効率的なサービス提供が可能になります。
- 交通費の削減:同一建物内でのサービス提供により、交通費が削減されます。
- 事務作業の効率化:同一建物内の利用者に関する事務作業をまとめて行うことができます。
公平性の確保
戸建住宅の利用者と集合住宅の利用者の間で、サービス利用に関する公平性を保つ必要があります。同一建物減算がない場合、集合住宅の利用者が相対的に有利になる可能性があります。
介護保険制度の持続可能性
効率的なサービス提供を促進することで、介護保険制度全体の財政的な持続可能性を高めることができます。
サービスの質の確保
効率的なサービス提供により生まれた余力を、サービスの質の向上に充てることが期待されています。
不適切な集客の防止
同一建物減算がない場合、集合住宅に介護サービス事業所が併設されるなど、不適切な集客につながる可能性があります。
地域包括ケアシステムの推進
効率的なサービス提供体制を整えることで、地域全体でのケアの質の向上につながることが期待されています。
これらの理由により、同一建物減算は介護保険制度において重要な役割を果たしています。ただし、同時に以下のような課題も指摘されています。
- 事業者の経営への影響:小規模な事業者にとっては、減算により経営が厳しくなる可能性があります。
- サービスの質への影響:効率性を追求するあまり、個別ケアが疎かになる懸念があります。
- 地域特性の考慮:都市部と地方では、建物の形態や利用者の分布が異なるため、一律の減算が適切でない場合があります。
これらの課題に対応するため、制度は定期的に見直されており、2024年の介護報酬改定でも一部変更が加えられています。同一建物減算の理由を理解することで、介護サービス提供者は効率的なサービス提供と質の確保のバランスを取りながら、適切なケアを提供することが求められています。
同一建物減算は、サービスの種類や提供の形態によって異なる要件が設定されています。ここでは、訪問介護、通所介護、居宅介護支援それぞれにおける同一建物減算の要件について詳しく解説します。2024年の介護報酬改定による変更点にも触れながら、最新の情報を提供します。
訪問看護(介護保険)における同一建物減算の種類と単位数は、以下の通りです(介護予防訪問看護の場合も同様)。
①同一敷地内建物等以外の同一建物で、1月あたりの利用者が20人以上居住する建物の場合
→所定単位数の90/100
②同一敷地内建物等(下記③の場合を除く)→所定単位数の90/100
③同一敷地内建物等で1月あたりの利用者が50人以上居住する建物の場合→所定単位数の85/100
となります。
同一建物居住者となる方(対象者)については、
- 事業所と同一敷地内建物等に居住する利用者
- 20人以上利用者が居住する集合住宅等に居住する利用者
と定義されています。前者の場合は利用者1名から減算となり、後者の場合は利用者が20名以上となった場合に減算が発生することになります。
Q: 訪問系サービスの同一建物等居住者に係る減算について、区分支給限度基準額の対象外に位置付ける理由は何ですか?また、減算適用を受ける者の区分支給限度基準額を計算する際に減算前の単位数を用いるのはなぜですか?
A: 訪問系サービスにおける同一建物等居住者に係る減算は、サービス提供の効率化などを目的としていますが、減算適用を受ける者と受けない者との間で公平性を保つため、区分支給限度基準額の対象外に位置付けられています。また、減算適用を受ける者の区分支給限度基準額を計算する際には、減算前の単位数を用いることで、減算の影響を受けずに適切なサービス利用を確保することを目的としています。
(出典)厚生労働省 社会保障審議会第186回介護給付費分科会資料(令和2年9月30日)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000677896.pdf
訪問看護における同一建物減算は、介護保険制度の持続可能性と公平性を確保するための重要なルールになっております。本記事では、同一建物減算の概要、単位数や要件について詳しく解説しました。
同一建物減算は、単なるコスト削減策ではなく、介護保険制度全体の公平性と持続可能性を確保するためにも、事業者は減算の意図を十分理解し、適切に運用することが求められます。
一方で、同一建物減算の適用により、サービスの質が低下することがあってはなりません。効率的なサービス提供を行いつつ、個々の利用者のニーズに応じた質の高いケアを提供することが重要です。
介護報酬改定は3年ごとに行われますが、今後同一建物減算の内容も変更される可能性があります。事業者は最新の情報を常に把握し、適切に対応することが求められます。また、利用者や家族に対しても、制度の変更について丁寧に説明し、理解を得ることが大切です。
訪問看護サービスは、地域包括ケアシステムの重要な要素です。同一建物減算を含む各種制度を適切に運用しながら、利用者の生活の質の向上と、地域全体の介護サービスの質の向上を目指していくことが、今後ますます重要となるでしょう。
ケアチームが分かるサービス紹介資料、ご利用事例を
ダウンロードする
事務員以上に請求実務に詳しいケアチーム
お急ぎの方は、こちらからお電話ください
03-6692-6095
(受付:平日10〜12時、13〜18時)
© Kumogamisha, Inc.
事務員以上に請求実務に詳しいケアチーム
© Kumogamisha, Inc.
最速
1
週間で稼働開始
レセプト業務
を
専門チーム
へ
丸投げ!
採用コスト削減・業務効率化
に