公開日:
2025/3/3
更新日:
2026/4/1
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
訪問看護管理療養費は、単なる「管理料」ではなく、ステーションの体制・質・収益構造を左右する中核報酬です。
2026年度改定では、評価体系の見直しにより「どのような利用者を、どのような体制で受け入れるか」がこれまで以上に問われる内容となりました。
本コラムでは、管理者・経営者の視点から、制度の本質と実務上の戦略ポイントを解説します。
※本コラムの内容は、2026年2月13日開催の「中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 資料 総-1個別改定項目について」、および「令和8年度診療報酬改定説明資料」に基づき作成しています。診療報酬改定に関する最新情報は、必ず厚生労働省からの正式な通知をご確認ください。
ケアチームでは、訪問看護のレセプト代行サービスを提供しています。お気軽にご相談ください。 ⇒ケアチームのサービス紹介資料を見る(無料)
訪問看護管理療養費は、適切な体制整備と運用がなされている場合に算定可能です。
主な要件と実務上の留意点は以下の通りです。
◆算定要件
安全なサービス提供体制が整備されている
訪問看護基本療養費(精神科含む)を算定している
計画書・報告書を主治医へ提出している
休日・祝日を含めた計画的かつ継続的な管理が行われている
◆安全な提供体制のポイント
安全管理体制や事故対応が文書化されている
インシデント報告・分析・再発防止策の体制が整備されている
褥瘡リスクの評価、看護計画の作成・実施・評価が行われている
褥瘡保有者数は毎年7月に地方厚生(支)局へ報告
業務継続計画(BCP)を策定し、災害時もサービス継続体制を確保
◆主な留意点
電子提出はガイドライン遵守・安全な通信環境・電子署名の適切運用
電話相談や他事業所との連絡調整は療養費に包括される
訪問看護報告書の写しを記録に添付
多職種連携は計画書・報告書を一体的に作成し、定期評価を実施
数事業所間で目標・計画・評価を共有
施設内訪問は既存サービスと明確に区別
自治体・保健所等の関係機関と連携
衛生材料は適切に管理し主治医へ報告
※不備がある場合、返戻・算定不可となる可能性があるため注意が必要です。
2026年の診療報酬改定では、訪問看護管理療養費に関する重要な変更が実施されました。
訪問看護管理療養費の金額が全体的に引き上げられました。
また、機能強化型訪問看護管理療養費4 (9,030円) が新設されました。
これは、精神科訪問看護において支援ニーズの高い利用者を受け入れ、24時間対応や地域の関係機関との連携体制が整備されている訪問看護ステーションを評価するものです 。
施設基準には、常勤の看護師等の数が4名以上であること、24時間対応体制加算の届出、重症者や精神障害者への訪問看護実績、退院時共同指導の実績などが含まれます 。
現行 | 改定後 | |
|---|---|---|
機能強化型訪問看護管理療養費1 | 13,230円 | 13,760円 |
機能強化型訪問看護管理療養費2 | 10,030円 | 10,460円 |
機能強化型訪問看護管理療養費3 | 8,700円 | 9,030円 |
機能強化型訪問看護管理療養費4 | 9,030円 | 新設 |
上記以外の場合 | 7,670円 | 7,710円 |
月の2日目以降の訪問看護管理療養費は、単一建物居住者の人数および1月当たりの訪問日数によって細分化されました。※同一建物割合や利用者構成により単価が大きく変動するため、月2日目以降の算定区分には特に注意が必要です。
イ 単一建物居住者が20人未満 | ー | 3,000円 |
ロ 単一建物居住者が20人以上49人以下 | 1月当たり訪問日数が15日以下の場合 | 2,500円 |
同上 | 1月当たり訪問日数が16日以上24日以下の場合 | 2,300円 |
同上 | 1月当たり訪問日数が25日以上の場合 | 2,200円 |
ハ 単一建物居住者が50人以上 | 1月当たり訪問日数が15日以下の場合 | 2,400円 |
同上 | 1月当たり訪問日数が16日以上24日以下の場合 | 2,200円 |
同上 | 1月当たり訪問日数が25日以上の場合 | 2,000円 |
高齢者向け住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションが、頻回の訪問看護を24時間体制で行う場合を評価する「包括型訪問看護療養費」が新設されました 。※包括評価の仕組みは、施設特化型モデルにおける収益の安定化につながる重要な要素となります。
算定要件: 1日に行った複数回の指定訪問看護の合計時間を合算して算出します。日中および夜間帯(午後6時〜午前8時)にそれぞれ少なくとも1回ずつの訪問が必要です。
【単一建物居住利用者が20人未満の場合】
イ 訪問看護時間が30分以上60分未満 | 7,000円 |
ロ 訪問看護時間が60分以上90分未満 | 11,000円 |
ハ 訪問看護時間が90分以上 | 14,000円 |
ニ 訪問看護時間が90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合 | 15,500円 |
【単一建物居住利用者が20人以上50人未満の場合】
訪問看護時間が30分以上60分未満 | 6,300円 |
訪問看護時間が60分以上90分未満 | 9,900円 |
訪問看護時間が90分以上 | 13,720円 |
訪問看護時間が90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合 | 15,190円 |
【単一建物居住利用者が50人以上の場合】
訪問看護時間が30分以上60分未満 | 5,950円 |
訪問看護時間が60分以上90分未満 | 9,350円 |
訪問看護時間が90分以上 | 13,440円 |
訪問看護時間が90分以上で別に厚生労働大臣が定める場合 | 14,880円 |
算定には、以下の要件を満たす必要があります。
1日に1回以上は、准看護師ではない看護職員(保健師・看護師等)が訪問に加わる。
管理責任者による計画書の毎日チェック。
訪問看護計画書や記録書は、すべて電子的方法で記録・管理する。
Q1: 「安全な提供体制の整備」とは、具体的にどのようなことが求められますか?
A1: 「安全な提供体制の整備」とは、例えば以下の要件を満たすことを指します。
・安全管理に関する基本的な考え方や事故発生時の対応方法が文書化されていること。
・訪問先等で発生した事故やインシデントが報告され、その分析を通じた改善策が実施される体制が整備されていること。
・日常生活の自立度が低い利用者に対する褥瘡に関する危険因子の評価、および褥瘡対策の看護計画の作成・実施・評価を行うこと。
・毎年7月に褥瘡を有する利用者数を地方厚生(支)局長へ報告すること。
などです。※体制未整備は算定不可・返戻リスクに直結します。
(出典)厚生労働省近畿厚生局「訪問看護療養費の取扱いの理解のために」P35-36
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/gyomu/gyomu/hoken_kikan/kango/3nenndohoumonnkangorikainotameni.pdf
訪問看護管理療養費の適切な運用は、質の高い訪問看護サービスを提供するための基盤となります。2026年の改定内容を正しく理解し、効率的な請求業務を行うことで、利用者へのサービス向上につなげることができます。
今後も制度改正や運用方法の変更に注意を払い、適切な対応を心がけていくことが重要です。そのためにも、継続的な学習と情報収集、そして業務改善への取り組みを続けていきましょう。
出典:
令和8年度診療報酬改定について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)資料 総-1個別改定項目について
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 議事次第|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html
09_令和8年度診療報酬改定の概要 9.質の高い訪問看護の推進(厚生労働省)
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