公開日:
2025/3/17
更新日:
2026/2/23
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
訪問看護報告書は、看護師が提供したケア内容を主治医に報告するための重要な書類です。利用者の状態や提供したケアを的確に記載することが求められる一方で、その作成に苦労する看護師も少なくありません。この記事では、訪問看護報告書の作成におけるポイント、記載例、効率化のコツを詳細に解説します。
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訪問看護報告書は、利用者の状態、実施したケア内容、家庭での介護状況などを主治医に提出する書類です。通常の訪問看護報告書と精神科訪問看護報告書の2種類があり、交付された訪問看護指示書の種類によって作成する報告書が異なります。本稿では、通常の訪問看護報告書に焦点を当てて解説します。
訪問看護報告書作成の主な目的は2つあります。
‐医療機関・ケアマネジャーへの情報共有
主治医への報告は運営基準に定められており、義務となっています。次の訪問看護指示書の内容検討に役立ちます。ケアマネジャーへの提出は義務ではありませんが、情報共有のため望ましいとされています。
‐法的・業務上の証拠書類としての役割
実施したケア内容や利用者の状態が詳細に記載されるため、法的・業務上の証拠としての役割を果たします。
‐訪問看護ステーション内での情報共有
スタッフ間での引き継ぎをスムーズにし、統一したケアの提供を可能にします。新人教育や業務改善にも活用できる貴重な資料となります。
作成タイミングに明確な決まりはありませんが、月末の提出締め切り前に、報告期間の内容を統合して作成するのが良いでしょう。提出頻度も明確な定めはありませんが、月に1回の提出が望ましいと考えられます。月に1回しか訪問看護の提供がない場合は、訪問看護記録書Ⅱの複写を報告書として利用することも可能です。
参考までに、厚生労働省が通知する訪問看護の運営基準に関するサイトを添付します。
厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について
様式は厚生労働省が示していますが、内容に準じていれば書式に決まりはありません。電子カルテ導入ステーションではシステムで作成され、未導入の場合はエクセルやワード等で作成することもあります。作成した報告書は印刷して郵送・手渡し、またはPDF化してメールやチャットツール等で提出します。
今どき、介護請求ソフト等を使用していないステーションはほとんどないでしょう。現在お使いのソフトには、ほぼ確実に報告書が作成できる機能があるはずですので、それを使用すればよいでしょう。
訪問看護報告書を含む訪問看護の提供に関する各種記録は、2年間の保管が義務付けられています。
具体的な記載項目と記載例を以下に示します。
利用者情報: 氏名、生年月日、住所、要介護認定状況などの基本情報を記載します。
訪問日: 訪問日を記載。看護師訪問は◯、理学療法士等は◇、特別訪問看護指示書に基づく訪問は△、1日2回以上は◎、長時間訪問看護加算は□など、ルールに注意します。
病状の経過: 病状の変化や日常生活動作の状況を記載します。バイタルサイン、症状の変化、自己管理能力などを具体的に記述します。
看護・リハビリテーションの内容: 実施したケア・リハビリの内容を箇条書きで簡潔に記載します。バイタルサイン確認、入浴介助、点滴管理などを列挙します。
家庭での介護の状況: 誰がどのように介護しているか、介護者の状態などを記載します。キーパーソン、介護状況、介護者の状態を記述します。
衛生材料等の使用量および使用状況: 使用した衛生材料の名称や使用量を記載します。フォーリーカテーテル、蓄尿バッグなどの名称、使用頻度、使用量を記述します。
衛生材料等の種類・量の変更: 変更の必要性の有無と変更内容を記載します。必要があれば変更内容を具体的に記述します。
情報提供: 情報提供先と情報提供日を記載します。訪問看護情報提供療養費に係る情報提供先と日付を記述します。
特記すべき事項: 様式項目以外で報告する必要がある情報を記載します。予定外の訪問や緊急対応などを記述します。
記載日、署名捺印: 報告書作成日、事業所名、管理者名を記載・捺印します。
簡潔な文章: 利用者の状況を簡潔に記載します。長い文章は避け、伝えたい情報を絞って要点をまとめるようにします。報告書は「相手」あってのものです。相手が理解しにくい内容になってしまっては、せっかくの報告書の効果が落ちてしまいます。留意しましょう。
変化の明記: 変化があったことと無かったことを明確に記載します。変化があった場合は、いつから・どの部分に変化があったのか、どのような対応をしたのかを記述することが重要です。医師は利用者の状態に変化があったとき、それがいつから発生したのか、その背景にはどのような出来事があったのかが知りたいわけです。その状況が報告書で読み解けないような表現にならないようにしましょう。
看護師ならではの情報: 看護師だからこそ得られた情報や問題点を中心に記載します。日常的なバイタルサインの変化、心理的なサイン、食欲や排泄状況の変化などを記述します。バイタルサインは日々のルーティン業務になるため軽く見られがちですが、まさに利用者の健康状態を表す「サイン」として極めて重要です。
ソフトやツールの導入: 電子カルテソフトやツールを活用して作成を効率化します。過去の報告書を複製したり、AIを活用したり、音声入力を活用したりすることも有効です。業務の効率化を「意識」することが非常に大切です。
雛形となる文章の事前作成: 病状や看護内容でよく使う文章を雛形として作成しておきます。必要な部分のみ加筆・修正する。訪問看護報告書の記載例を参考にしましょう。
作成マニュアルの作成: 書き方をまとめたマニュアルを作成し、作成基準を示します。訪問看護報告書の制度や様式、作成頻度、作成方法、記載例、提出方法などを記載しましょう。
Q1:訪問看護報告書は、どのような目的で、誰に対して作成・提出されるものですか?
A1: 訪問看護報告書は、主に以下の目的で、関係者に対して作成・提出されます。
●目的
・利用者の状態把握と情報共有: 訪問看護サービスを通じて得られた利用者の健康状態、療養上の経過、提供したケアの内容、変化点などを記録し、主治医やケアマネジャー、他のサービス提供事業者など、多職種間で情報を共有することで、一貫性のある適切なケアを提供するために用いられます。
・サービス内容の透明性の確保と質の向上: 提供されたサービス内容を具体的に記録することで、利用者やその家族に対する説明責任を果たし、サービスの透明性を高めます。また、記録を振り返ることで、ケアの質の評価・改善に繋げることができます。
・レセプト請求の根拠資料: 訪問看護報告書に記載されたサービス内容は、レセプト請求の根拠となる重要な資料の一部です。適切な報酬請求のためには、正確かつ詳細な記録が不可欠です。
●作成・提出先:
・主治医: 訪問看護指示書を交付した主治医に対して、利用者の状態や訪問看護の実施状況を報告します。訪問看護の実施においては、主治医との連携が不可欠であり、報告書の提出はその一環です。
・ケアマネジャー: 介護保険の利用者については、ケアプランを作成したケアマネジャーに対して、サービス提供状況や利用者の状態を報告します。「介護保険法」(平成9年法律第123号)に基づく居宅サービス計画との整合性を図る上で重要な役割を果たします。
・利用者またはその家族: サービス内容の確認や情報共有のため、利用者またはその家族に報告書の内容を説明したり、必要に応じて写しを交付したりすることがあります。
・訪問看護ステーション内での共有: 複数の看護師等が関わる場合や、継続的なケアを提供するために、ステーション内で情報を共有するための記録としても活用されます。
これらの関係者への報告は、利用者の安全と適切なケアの提供、そして円滑な多職種連携のために不可欠です。
(出典)
厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」(医療保険)P9
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001241061.pdf
厚生労働省「指定居宅サービス基準」第70条第1項(介護保険)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999404&dataType=0&pageNo=1
Q2:訪問看護報告書の保管期間は、法令で定められていますか?
A2: 訪問看護報告書の保管期間は、直接的に「訪問看護報告書」という名称で個別に明記されているわけではありませんが、関連する法令や通知によって、記録の保存義務が定められています。
●医療保険の場合:
「健康保険法」や関連する告示等において、保険医療機関(訪問看護ステーションを含む)は、診療に関する諸記録を一定期間保存する義務が課せられています。具体的には、診療録(カルテ)の保存期間が5年間と定められています。訪問看護報告書は、診療録に準ずる記録として、この期間に準じて保存することが求められます。
(出典)厚生労働省「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(昭和32年厚生省令第15号)第9条
https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50000100015
●介護保険の場合:
「介護保険法」第23条および関連する省令や通知において、指定居宅サービス事業者(訪問看護ステーションを含む)は、サービス提供に関する記録を保存する義務が課せられています。「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)第73条第2項では、サービス提供に関する記録を完結の日から2年間保存しなければならないと定められています。
(出典)厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)第73条第2項
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82999404&dataType=0&pageNo=1
訪問看護報告書は、利用者の状況を主治医に伝えるための重要な書類です。正確かつ簡潔に情報を記載し、適切なケアの提供に役立てることが肝要です。効率的な作成方法を取り入れることで、業務負担を軽減し、より質の高い看護を提供することができます。
訪問看護において、報告書の作成は看護の質を保証し、多職種連携を実現する重要な業務です。本記事では、訪問看護報告書の基本的な書き方から、実践的な記入例まで、現場で活用できる情報を詳しく解説しました。特に初めて訪問看護に携わる方や、記録の質を向上させたい方に役立つ内容となっていると自負しております。
本記事が、訪問看護ステーションで働く皆さまにとって少しでも有益なものとなれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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