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【2026年度改定】訪問看護の退院時共同指導加算とは?算定要件・単位数・注意点をわかりやすく解説(介護保険・医療保険)

【2026年度改定】訪問看護の退院時共同指導加算とは?算定要件・単位数・注意点をわかりやすく解説(介護保険・医療保険)

公開日:

2024/8/21

更新日:

2026/3/16

ケアチーム編集部

クラウドバックオフィス - 介護請求・レセプト代行サービス「ケアチーム」を提供する株式会社雲紙舎の編集部です。
「ケアチーム」では、医療・介護に携わる皆さまに向けて、SNSでも業務や経営に役立つ情報をタイムリーにお届けしています。

こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。

訪問看護ステーションが病院と連携し、退院前から在宅療養の準備を進めることは、患者の安全な在宅移行において非常に重要です。
その連携を評価する制度が 「退院時共同指導加算」 です。

本記事では訪問看護管理者・経営者向けに

  • 退院時共同指導加算とは

  • 介護保険・医療保険それぞれの算定要件

  • 単位数・報酬額

  • 算定回数

  • 算定時の注意点

などを2026年度(令和8年度)診療報酬改定の内容も踏まえて解説します。

※本コラムの内容は、2026年2月13日開催の「中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 資料 総-1個別改定項目について」、および「令和8年度診療報酬改定説明資料」に基づき作成しています。診療報酬改定に関する最新情報は、必ず厚生労働省からの正式な通知をご確認ください。

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退院時共同指導加算とは(訪問看護)

退院時共同指導加算とは、医療機関に入院中介護老人保健施設・介護医療院に入所中で退院(退所)後に在宅での療養生活へ円滑に移行できるようにするために医療機関などと訪問看護ステーションが共同して療養指導を行った場合に算定できる加算です。

退院前に以下のような支援を行うことで算定できます。

  • 退院前カンファレンスへの参加

  • 医療処置の引き継ぎ

  • 在宅療養の注意点の共有

  • 患者・家族への指導

この加算は

  • 介護保険

  • 医療保険

の両制度に存在します。

退院時共同指導加算の算定にあたり、介護保険・医療保険とも届出の必要はありません。
算定要件を満たせば算定が可能です。

◆介護保険・医療保険について届出が必要な療養費・加算については下記をご参照ください。
(出典)
・東京都福祉局HP「訪問看護・介護予防訪問看護」加算等の届出様式
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/tuutitou/4_houkan
・関東信越厚生局HP「訪問看護ステーションの基準に係る届出(令和6年度診療報酬改定)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/kango/R06houmonnkanngoryouyouhi_00002.html

退院前カンファレンスとは

退院前カンファレンスとは、退院後に在宅療養を予定している患者について、医療・介護の関係職種が集まり支援内容を共有する会議です。

主な参加者は以下の通りです。

  • 主治医

  • 病棟看護師

  • 退院支援看護師

  • 医療ソーシャルワーカー

  • ケアマネジャー

  • 訪問看護師

  • 訪問介護事業所など

退院前カンファレンスでは、退院後の生活や医療処置について情報共有を行い、在宅療養の体制を整え、訪問看護記録書(退院前共同指導書)に記録を残します。

退院時共同指導書の書式

退院時共同指導の文書には 国が定めた様式はありません

ただし、以下の内容を記載する必要があります。

  • 実施日

  • 参加者

  • 指導内容

  • 退院後の療養方針

  • 初回訪問予定日

運営指導では、共同指導を実施したことが確認できる記録が保管されているかが確認されます。

◆以下の書式を参考にされるとよいでしょう。

(出典)静岡県訪問看護ステーション協議会「書式ダウンロード」
https://www.shizuoka-vnc.jp/sheet.html

退院時共同指導加算の算定要件(医療保険・介護保険共通)

退院時共同指導加算は、医療保険・介護保険いずれの場合も基本的な算定要件は共通しています。

入院(入所)中の患者が退院後に円滑に在宅療養へ移行できるよう、退院前に医療機関等の職員と訪問看護師が共同して療養指導を行った場合に算定できる加算です。

対象となる主な施設は以下の通りです。

  • 病院・診療所

  • 介護老人保健施設

  • 介護医療院

また、算定するためには次の要件を満たす必要があります。

  • 医療機関または施設の従業者と共同して療養上の指導を行う

  • 指導内容を文書で利用者または家族に提供する

  • 退院後に訪問看護を実施する

  • 訪問看護記録書(退院前共同指導書)に指導内容を記録する

  • 看護師等(准看護師を除く)が実施する

なお、医療保険と介護保険では報酬額や算定回数の考え方が一部異なります。
以下でそれぞれの制度について解説します。

介護保険・退院時共同指導加算

単位数

600単位/回

介護保険で算定する際の注意点

算定回数

退院時共同指導加算は、1回の退院時に原則1回のみの算定です。

ただし別表8の対象であるご利用者は 2回算定 (別々の日に指導した場合のみ)可能となります。

なお、別表8(厚生労働大臣が定める特別管理が必要な状態等)対象者は以下の通りです。

  1. 在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者

  2. 以下のいずれかを受けている状態にある者

    ・在宅自己腹膜灌流指導管理
    ・在宅血液透析指導管理

    ・在宅酸素療法指導管理
    ・在宅中心静脈栄養法指導管理
    ・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
    ・在宅自己導尿指導管理

    ・在宅人工呼吸指導管理
    ・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理

    ・在宅自己疼痛管理指導管理
    ・在宅肺高血圧症患者指導管理
    在宅難治性皮膚疾患処置指導管理

  3. 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者

  4. 真皮を越える褥瘡の状態にある者

  5. 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

2026年度改定では、『在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている者』が対象に追加されています。
詳細はこちらのコラムをご確認ください。
【2026年度(令和8年度)診療報酬改定】難治性皮膚疾患への訪問看護、週4回以上の算定が可能に

初回加算との併算定

退院時共同指導加算を算定した場合、訪問看護初回加算は算定できません。

レセプト請求時のミスは運営指導でも指摘されやすいポイントです。

医療保険・退院時共同指導加算

医療保険でも介護保険同様、退院前に医療機関などと共同して療養指導を行った場合に算定できます。

報酬額

8,000円/回

医療保険で算定する際の注意点

算定回数

医療保険での退院時共同指導加算も1回の退院時に原則1回のみの算定です。

別表8・別表7対象であるご利用者は 2回算定 (別々の日に指導した場合のみ)可能となります。

なお、別表7(厚生労働大臣が定める疾患等)対象者は以下の通りです。

  • 末期の悪性腫瘍

  • 多発性硬化症

  • 重症筋無力症

  • スモン

  • 筋萎縮性側索硬化症

  • 脊髄小脳変性症

  • ハンチントン病

  • 進行性筋ジストロフィー症

  • パーキンソン病関連疾患

  • 多系統萎縮症

  • プリオン病

  • 亜急性硬化性全脳炎

  • ライソゾーム病

  • 副腎白質ジストロフィー

  • 脊髄性筋萎縮症

  • 球脊髄性筋萎縮症

  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎

  • 後天性免疫不全症候群

  • 頸髄損傷

  • 人工呼吸器を使用している状態

別表8(厚生労働大臣が定める特別管理が必要な状態等)については、介護保険で紹介した内容と同様です。

退院支援指導加算との違い

訪問看護には似た加算として 退院支援指導加算 があります。

違いは以下の通りです。両方の要件を満たせば、併算定が可能 です。

項目

退院時共同指導加算

退院支援指導加算

実施タイミング

退院前(入院中)

退院当日

実施場所

病院・診療所・介護老人保健施設など

利用者の居宅(自宅)

主な目的

スムーズな在宅移行のための情報共有

退院直後の不安解消と環境調整

主な内容

病院スタッフとのカンファレンス、処置の引き継ぎ

実際の生活環境での指導、医療機器の設置確認

算定回数

原則、入院中1回(特別な場合は2回)

退院日に1回のみ

同時算定

退院支援指導加算と併算定可能

退院時共同指導加算と併算定可能

注意点

病院側の多職種と「共同」で行うことが必須

訪問看護基本療養費とセットで算定する

2か所の訪問看護ステーションの退院時共同指導

退院時共同指導加算は、原則として1人の利用者につき1つの訪問看護ステーションのみ算定可能です。

ただし、別表7または別表8に該当する利用者の場合は、退院時共同指導加算を2回まで算定することが可能です。

この場合、複数の訪問看護ステーションがそれぞれ1回ずつ算定することも可能とされています。
ただし、同日に算定することはできず、それぞれの訪問看護ステーションが別の日に退院時共同指導を実施する必要があります。

ICT(オンライン)での実施

退院時共同指導は、テレビ電話等のICTを活用して実施することも可能です。

ただし

  • 利用者または家族の同意

  • 個人情報保護への配慮

  • 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応

が必要になります。

(出典)医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(令和5年5月)|厚生労働省

退院時共同指導加算に関するQ&A

Q1: 退院時共同指導加算はいつ算定する?

A1: 退院後の初回訪問看護時に算定します。


Q2: 退院前カンファレンスに医師がいないと算定できない?

A2: 医師が参加できない場合でも、共同指導が成立していれば算定可能です。


Q3: 退院時共同指導の内容を電子メールで送信した場合でも算定できますか?

A3: 条件を満たせば算定可能です。

電子メールで指導内容を提供した場合でも、

  • 利用者または家族が受領したことを確認する

  • 確認内容を訪問看護記録書に記録する

これらを満たしていれば算定可能です。送信のみでは算定できません。

(出典)
令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問50
https://www.mhlw.go.jp/content/001227740.pdf


Q4:介護保険と医療保険で、退院時共同指導加算の算定要件や注意点に違いはありますか?

A4:はい、違いがあります。
介護保険と医療保険では、算定単位数(報酬額)や2回算定が可能となる対象者の考え方などが異なります。

主な違いは以下の通りです。

  • 介護保険:退院時共同指導加算 600単位/回

  • 医療保険:退院時共同指導加算 8,000円/回

また、2回算定できる対象者の考え方も異なります。

  • 介護保険:特別管理が必要な状態の利用者(別表8)

  • 医療保険:厚生労働大臣が定める疾病等の利用者(別表7)、特別管理が必要な状態の利用者(別表8)

このように、制度ごとに対象要件や算定方法が異なるため、算定時には保険種別の確認が重要です。

(出典)
厚生労働省告示「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」P20-21
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000080824.pdf
厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」P18
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001241054.pdf


Q5:退院時共同指導を実施した2ヶ月後に初回訪問看護を行った場合は算定できますか?

A5:算定できません。

退院時共同指導加算は、退院後に訪問看護を開始することを前提とした加算です。
そのため、初回訪問を行った月または前月に退院時共同指導を実施している場合のみ算定可能です。

(出典)
厚生労働省「平成24年度介護報酬改定に関するQ&A」問39
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/housyu/dl/qa01b.pdf


Q6:退院当日に退院前カンファレンス(退院時共同指導)を実施した場合でも算定できますか?

A6:算定可能です。

退院時共同指導加算は「退院前」に実施することが原則ですが、退院当日に実施した場合でも、退院前に共同指導を行ったと認められる場合は算定可能とされています。

まとめ

退院時共同指導加算は、患者の円滑な在宅復帰を支援する重要な制度です。

訪問看護ステーションが退院前から関与することで

  • 退院直後のトラブル防止

  • 医療処置の安全な継続

  • 患者・家族の安心感向上

につながります。

訪問看護管理者・経営者としては、制度の要件を正しく理解し、医療機関との連携体制を整えることで、質の高い退院支援と安定した事業運営の両立を図ることが重要です。

出典:
令和8年度診療報酬改定について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
中央社会保険医療協議会 総会(第647回)資料 総-1個別改定項目について
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
中央社会保険医療協議会 総会(第647回) 議事次第|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html
09_令和8年度診療報酬改定の概要 9.質の高い訪問看護の推進(厚生労働省)

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