公開日:
2026/2/18
更新日:
2026/2/23
こんにちは!訪問看護のレセプト代行サービス「ケアチーム」の編集部です。
在宅医療において重要な役割を果たす訪問看護。その実施には医師による「訪問看護指示書」が不可欠です。本記事では、2024年の診療報酬改定を踏まえた訪問看護指示書の基本的な知識を詳しく解説します。
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訪問看護指示書は、在宅療養中の患者に対する訪問看護サービスの提供において、医師が訪問看護ステーションに対して具体的な看護内容を指示する文書です。この文書は、訪問看護サービスを提供する上で必要不可欠であり、介護保険法・医療保険諸法令により主治医からの交付が義務付けられております。
交付は「文書による」ことが必要です。主治医が口頭で「訪問看護の利用が必要である」と伝えてもそれは指示したことにはならず法律上、無効となります。
医師は医学的評価に基づき、必要なケア内容を明確に指示します。訪問看護師はこれをもとに看護を提供するため、指示内容が不十分な場合、ケアの質にも影響します。
医療依存度が高い患者
終末期の患者
多疾患併存で状態変動が起こりやすい患者
などの場合は、より具体的で詳細な指示が求められます。
指示書の有効期間は原則6ヶ月ですが、病状変化があれば期間内でも随時更新が必要です。
訪問看護指示書には、利用者の状態や医療内容に応じて以下の様式があります。
1. 通常の訪問看護指示書【医療・介護保険 共通】
2. 在宅患者訪問点滴注射指示書【医療・介護保険 共通】
3. 特別訪問看護指示書【医療保険】
4. 精神科訪問看護指示書【医療保険】
5. 精神科特別訪問看護指示書【医療保険】
保険区分や算定要件に直結するため、状態に応じて様式が異なります。
訪問看護指示書には、厚生労働省が示す標準様式がありますが、内容が同等であれば独自の様式が使われることもあります。
ただし2024年度の報酬改定以降は、傷病名コードの記載が必要となっているため、独自様式の場合は改定に対応しているかの確認が重要です。
厚生労働省の訪問看護指示書様式:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知),令和6年3月5日保医発0305第4号,p38|厚生労働省
訪問看護指示書には、患者情報から指示内容まで幅広い項目が含まれます。ここでは主な項目を解説します。
患者の同定と保険請求に必要な基本項目です。
記載項目
氏名(フリガナ)
生年月日・年齢
住所・連絡先
訪問看護の必要性を医学的に裏付ける項目です。
主傷病名・傷病名コードだけでなく、患者情報の「病状・治療状態」や「留意事項及び指示事項」などの欄に合併症・既往歴・症状の進行状況などを具体的に記載があるか確認します。
記載項目
病状・治療状態
投与中の薬剤の用量・用法
日常生活の自立度
要介護認定の状況
褥瘡の深さ
装着・使用の医療機器等 など
ポイント
発症日
合併症(例:心不全+腎機能低下)
現在の症状(例:SpO2の変動、食欲低下、痛みの強さなど)
予後の見通し
記載内容が不十分でも違法ではありませんが、訪問看護の根拠が弱くなり、医療安全や監査リスクが高まります。必要な情報が抜けている場合は、初回訪問時に確認し、医師へ追加指示を依頼することが重要です。
傷病名コードの確認は、厚生労働省の「傷病名マスター検索」をご活用ください。
訪問看護師は、「留意事項及び指示事項」などに記載された内容に基づいて、訪問時のケアを実施します。
内容の例
バイタル・症状観察・症状緩和
服薬管理、服薬アドヒアランスの支援
急性増悪の予防
生活の質の維持・ADL低下予防
家族支援・指導
排便管理
生活・介護指導
医療処置(吸引・褥瘡処置・点滴管理・在宅酸素管理・人工呼吸器管理・血糖測定・インスリン管理・膀胱留置カテーテル管理など)
急変時対応
◆現役訪問看護管理者よりアドバイス:
ご家族の希望するケアや配慮事項がある場合は、指示書を依頼する際に、あらかじめ医師へ書面などで具体的に伝えておくことが大切です。
事前に共有しておくことで、指示書への記載を検討してもらえるケースが多く、現場でのケアもスムーズになります。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が介入する場合は、「留意事項及び指示事項」に「誰が・どのくらいの時間・どの頻度で行うか」 が明文化されていないと、原則として算定できません。
介護保険のリハビリ
20分単位(20・40・60分)
週120分以内が上限
医療保険のリハビリ
1回30〜90分(途中区切りなし)
原則 1日1回・週3回まで
例外的に回数制限を超えられるケース
特別訪問看護指示書が交付されている場合
厚生労働省が定める疾病等に該当する場合
特別管理加算を算定している場合
→ 同日複数回・週4回以上の訪問が可能
実務で必ず確認するポイント
「訪問頻度(1日◯分を週◯回)」が具体的に書かれているか
保険種別ごとの回数・時間ルールを超えていないか
標準項目では補えない、個別的な情報があれば注意して介入します。
例
緊急時の連絡順位
急変時の方針(例:在宅看取り希望 or 搬送希望)
感染対策(例:MRSA対策)
家族への注意点や環境上の留意点
訪問看護を指示する医師・医療機関の情報が記載されます。
特に重要なのが、時間外を含めた連絡体制の明確化です。
在宅療養では、夜間・休日の急変が珍しくないため、連絡手段が明記されていることが重要です。
記載項目の例
医療機関名・所在地
電話番号
主治医名
診療科
緊急時の連絡先・不在時の対応指示
訪問看護指示書は、医学的な正確性だけでなく、患者・家族の意向や倫理的配慮なども重要になります。ここでは、訪問看護指示書に関する重要な注意点について解説します。
在宅ケアでは、患者・家族の価値観や生活の希望が治療方針を左右します。
定期的な意向確認や説明・同意の取得が不可欠です。
現場で状態を最もよく把握しているのは訪問看護師です。
観察結果や意見を医師へ都度報告や相談することで、指示内容の精度が高まります。
重要ポイント
カンファレンス
電子カルテや連絡ツールの活用(MCSやLINE WORKSやChatworkなど)
状態変化の共有ルールの明確化
◆現役訪問看護管理者よりアドバイス
病状に変化があった場合は速やかな連絡が必要ですが、往診日前日に連絡ツールで定期的な状況報告を行ったり、受診時に訪問看護師が記載した医師宛のお手紙を患者様に持参していただいたり、訪問看護師から外来看護師へ電話で情報共有を行うなど、報告書や計画書以外の方法も活用することで、よりスムーズな連携につながります。
特別訪問看護指示書とは、急性増悪や終末期など、短期間に頻回の訪問看護が必要となった際に、主治医が発行する特別な指示書です。
有効期間は14日間で、この期間中は、介護保険をお持ちの方でも医療保険で手厚い訪問看護が提供できる仕組みになっています。
発行が必要となるケース
急性増悪(発熱・感染・脱水など)
終末期で症状緩和が必要な場合
新たな合併症の出現
例:真皮を超える褥瘡の発生、場合など。
また、真皮を超える褥瘡のある方や、気管切開カニューレ挿入中の方については、月2回までの特別指示書発行が可能です。
それ以外の疾患・病状による特別指示書は、月1回までが上限となります。
特別指示書は、状態悪化の内容や頻回訪問の必要性が明確に記載される必要があります。
例
病状の変化
バイタルや症状の特徴
新たに必要となる処置
訪問頻度の根拠
14日間で達成すべき目標
2024年の診療報酬改定では、訪問看護の質向上と医療ニーズへの的確な対応を目的とした見直しが行われました。
今回の改定では、「指示書の内容が具体的であること」が、質の高い在宅医療提供の前提としてより重視される流れとなっています。
主な改定内容
医療ニーズの高い利用者への評価強化
急性増悪時の対応、医療処置の多い利用者、ターミナル期など、「手間と責任が大きいケース」に対する評価が見直され、必要な訪問がより実施しやすい体制になりました。
ICT活用の促進
オンラインカンファレンス、情報共有ツールの活用、訪問看護記録の電子化など、ICTを使った連携への評価が加算として整理されました。
これにより、医師・訪問看護師間の連携のスピードが向上することが期待されています。
在宅医療の質の向上
重度者の在宅支援を継続するため、褥瘡管理・排泄支援・急変時対応などの項目が明確化されました。
また、特別訪問看護指示書を含む医師の指示内容をより適切に書くことの重要性が改めて強調されています。
多職種連携の整理
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問や、ケアマネへの情報共有など、多職種の動きも加算に反映され、「必要な専門職が必要な頻度で訪問できる環境づくり」が優先される流れになっています。
訪問看護指示書を受領した際に、管理者が必ず確認したい実務をチェックリスト形式でまとめました。算定漏れ・返戻・監査リスクを防ぐため、受領時点での確認が重要です。
こちらからダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

現場の訪問看護師からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
Q1: 指示書に書いていない処置はしてもいい?
A1: 行ってはいけません。(算定不可かつ法的リスクあり)
必要な場合は必ず医師に「指示追加」を依頼して、書面に残すことが必要です。
Q2: 医療保険と介護保険、どちらを使うか迷う時は?
A2: 疾患や状態やお持ちの保険証類によって判断されます。市区町村(介護保険課・医療保険課)で保険の優先区分を確認できます。算定上の判断が難しいケースは、地方厚生局へ問い合わせると確実です。
訪問看護における医療保険と介護保険の違いは、こちらのコラムでもご紹介しています。
訪問看護における医療保険と介護保険の違いとは?条件を解説
Q3: 指示書の更新依頼を忘れそう…どう管理する?
A3: 指示書の期限を120%見える化するのが鉄則。
例:
管理表に期限を入れる
カレンダー通知
月初に全利用者の「指示期限チェック」をルーティン化
など。
Q4: 指示書の内容が曖昧(例:適宜対応)な場合は?
A4: 明文化してもらうよう確認が必要です。
訪問看護では「何の処置を指示されたか」が重要です。
「創処置(ゲーベン+メロリンガーゼ使用/1日1回)」のように具体的に記載が必要となります。
Q5: 医師が忙しくて指示書が遅れる時は?
A5: 訪問はできるが、算定はできない可能性があるため注意。
事前に医師・医療機関と仕組みを作るとスムーズです。
Q6: 指示書期間の途中でリハビリを開始することになったら、指示書は書き直してもらうべき?
A6: リハビリに関する記載が指示書にない場合は、追記または再交付依頼が必ず必要です。
「留意事項及び指示事項」に職種(PT・OT・ST)や内容の記載があって初めて、リハビリの実施が可能です。
訪問看護指示書は、医師が「訪問で行ってほしい医療行為」を正式に示す重要な文書です。
看護師は、記載内容を正確に読み取り、訪問の可否・頻度・処置内容を判断します。
特に下記の点を押さえておくと、安全で効率的な訪問看護につながります。
指示内容は
「書かれているものしかできない」
処置内容や頻度は、曖昧な記載を避けて明確に
指示書の更新日(期限)は必ず管理
必要な処置が増えたら速やかに指示追加を依頼
この4点を押さえることで、指示書を軸にした訪問がスムーズになり、医療・介護・家族との連携も安定します。
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